自民党の茂木幹事長が総裁選への立候補を正式に表明しました。「防衛増税」をめぐって新たな財源確保を主張するなど、岸田政権の方針を修正する考えも打ち出しています。

自民党 茂木敏充 幹事長
「この度、自民党総裁選に立候補することを決意しました」

午後、会見を開き、総裁選への初めての出馬を表明した茂木幹事長(68)。新政権での構想を訴えました。

自民党 茂木敏充 幹事長
「成長戦略による税収アップなどによって新たな財源を確保し、『増税ゼロ』の政策推進、これを実行していきます」

「増税ゼロ」を打ち出した茂木氏。岸田政権下で行う予定だった、▼防衛増税や、▼子育て支援金の保険料の追加負担、それぞれ1兆円については停止し、新たな財源確保策で対応すると強調しました。

現政権の方針を修正する考えを示した茂木氏ですが、会見で強く訴えたのが、停滞する日本経済の“再生”です。

自民党 茂木敏充 幹事長
「活力ある地方を作り、地域の雇用を創出していきます。日本列島の再改造と東京一極集中の是正を進めます」

1993年の初当選後、外務大臣など要職を歴任し、トランプ前大統領からは「タフネゴシエーター=手強い交渉相手」とも呼ばれた茂木氏。「日本列島の再改造」を訴える背景には、自身の経歴が関係しています。

自民党 茂木敏充 幹事長
「意外と可愛いんだよね。これが小学校に上がったころで、近所のお姉ちゃんと私と妹ですね」

小学校は1学年19人の分校に通い、地元では田植えの手伝いなどをして育ったという茂木氏。政治家としての原点は、この分校時代にあると話します。

自民党 茂木敏充 幹事長
「やっぱり地方の活力をアップする。これが言ってみると、僕にとっての政治の原点になっていくんだと思います」

当選10回、実績を積み重ねてきた茂木氏ですが、JNNの世論調査で「次の総理にふさわしい人」のランキングで下位に低迷するなど、下馬評は高くありません。

また、岸田政権の幹部ながら、きょうの会見で打ち出した防衛増税の見直しについては、早くも党内から反発の声が上がっています。

自民党 小野寺五典 安保調査会長
「我が国の安全保障にも大きな影響がありますが、それ以上に日本の同盟国や同志国に対しても不安を与えるのではないかと」

派閥の裏金事件を受け、党内から幹事長の責任を問う声も上がる中、茂木氏は自身の強みである政策力や実行力をどこまでアピールできるのか、真価が問われています。

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