サッカーJ1リーグで数々のチームで主力選手として活躍し、その後、海外を含め複数のクラブを渡り歩いてきた元日本代表の金崎夢生(35)。新天地として選んだのは、JFLのヴェルスパ大分でした。

9月3日、別府市の実相寺グラウンドに真っ赤なウェアで現れた金崎。2007年に大分トリニータに入団し、鹿島や名古屋などでも活躍。2023年限りで、J3のFC琉球を退団しましたが、8月22日にJFLのヴェルスパ大分に加入しました。

金崎:
「自分がプロキャリアを始めたのがこの大分という場所ですし、トリニータと違うチームですけど、ヴェルスパからまた大分を盛り上げていけたらいいなと思い、来ました」

チームに合流した3日は、移動の疲れを考慮して別メニューで調整。軽いジョグをこなしたあと、スプリントメニューの中でボールタッチも交えながら感覚を確かめるようにおよそ1時間汗を流しました。

琉球を退団してからこれまでの約半年間は、元日本代表の槙野智章氏率いる品川CCや大学の練習に参加してコンディション調整を続けていたといいます。

金崎:
「その期間はすごく新鮮でした。プロになって17年18年、ずっとそういう生活で今まで生きてきてたので。そこから一つ離れて、普通の人というか、普通に生活してみたら、またそれはそれでいろんな刺激もありました。その時間、そのときしか過ごせない過ごし方もできたなと思います。そういう中でもう一度こういうふうにサッカーができる場をヴェルスパ大分に用意してもらえたので、すごく感謝しています」

8月中旬のJFL中断期間に、クラブに誘われて金崎が一度、練習に参加をしていたこともあり、チームメートとの関係は早くも良好。ムードメーカーからの声かけに金崎は笑顔で返しながらキレのある走りを見せました。

金崎:
「みんな相変わらず元気でかわいらしいなと思います。端でトレーニングしていても声をかけてくれる選手もいて、ああいうのは久しぶりにチームというものを感じました」

早速刺激を受けているというフォワードの中井崇仁は、「自分が小さいころ鹿島が好きだったので、当時の10番とサッカーができるのは夢みたいです。練習に参加してもらったときにシュートについてたくさん聞きました。それを活かしてゴールを決められたのはうれしいし、同じアタッカーなのでライバルとして切磋琢磨したいです」と話します。

チームの仲間に対し、金崎も積極的にアドバイスを送っています。

金崎:
「自分もけがをし、そういうわかる部分もあるので、そのときのトレーニング方法など、自分が何か手助けできることがあるのかなと思って話しています」

「監督にも言われたように、いくつかのチームで今までやらせてもらったので、経験という部分でもみんなに教えてあげられる部分もあると思います。でも何よりピッチで自分がどういう形で貢献するのが一番いいのかというのは、今後の練習や試合でどんどん見つけていきたい」

チームは9月1日、首位・高知を敵地で1対0で下すなど中断期間をはさんで3連勝。
2位・栃木と勝ち点差3、さらに残り12試合で首位と勝ち点差13と逆転優勝も視野に入っています。

勢いづく中での実績十分のベテランの加入に山橋貴史監督は「最初は嘘だろと思いました(笑)。練習に参加したときもそういう話はなかったし、うちの刺激になればという感じで来てもらったので。そのときも5割、6割のコンディションだと本人は話していましたけど、やっぱりちょっと違いますよね。パッと練習参加してすぐにあれだけ周りの選手とうまくやれるところなんかはやっぱり能力が高い」と語り、胸を躍らせています。

金崎は4日から全体メニューに合流する予定で、一日も早い試合出場が期待されます。

金崎:
「僕自身もトリニータにお世話になった中で、ヴェルスパに行くというのも自分の中で一つの大きな決断ではありました。僕の心はやっぱりいつでも大分を盛り上げたい、そういう気持ちは変わらない。チームは変わりますけど、ここからしっかり大分を盛り上げてトリニータと一緒に注目される2チームでどんどんいけたらいいなと思います」

ヴェルスパ大分は次節9月7日(土)、ホームのレゾナックサッカー場Aに最下位のクリアソン新宿を迎えます。大分トリニータの試合前にレゾナックドーム大分の隣で行われる一戦。両チームのサポーターからの声援が期待されます。

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