次の衆議院議員選挙をめぐり、“自民王国”と呼ばれる選挙区で異例の動きです。自民党富山市連は、富山1区の候補者選考について、現職を含めた「予備選」の実施を検討することになりました。背景には政治資金パーティーによる裏金問題があり、それらに端を発した“政治不信”の払拭を目指します。

3日に開かれた自民党富山市連の常任総務会。富山1区現職の田畑裕明衆議院議員のほか、県議と富山市議、計25人が出席し、次の衆院選の候補者選考について議論しました。

田畑裕明・衆議院議員
「来たる衆議院選挙というのは常在戦場でございますが、引き続きここまで仕事をさせていただき、国政または県政、富山市政においても、さまざまな課題がございます。その解決のために、皆さんと一緒になって仕事をさせていただきたい。しっかり頑張っていきたいという趣旨を私から発言させていただきました」
(会終了後の取材に対し)

田畑議員をめぐっては、6月に開催予定だった政治資金パーティーの案内状にある「ご入金のみ」の項目が、寄付の呼びかけに当たると複数の専門家が指摘。

国会で野党が違法なパーティーだとして岸田総理を追及し、自民党富山市連は7月、政治不信を招いた田畑議員を厳重注意としました。

自民党富山市連支部長・中川忠昭県議
「厳重注意ということで、2か月間経ったわけでございますが、その間、田畑代議士にとって試練の期間だったと思いますが、どのように対応されてきたのか、きょうはその報告も受けたいなと思ってますんで、ぜひまたよろしくお願いしたいと思います」(総務会でのあいさつより)

出席した議員によると、常任総務会では田畑議員が反省と謝罪を行ってきたというこの2か月の活動内容を報告。

しかし、出席議員からは8月に後援会が会費制の国政報告会を予定していたことなどを例に、「反省の態度が足りない」、「信頼回復とはほど遠い」といった厳しい意見が続出。

次期衆院選に向けて「応援できない」といった意見も出るなど、田畑議員の選挙応援について賛否が割れたということです。

自民党富山市連政調会長・舎川智也富山市議
「まだまだちょっと不信感があるんじゃないか。さらにはもう少し自民党としても考えるべきなんじゃないかっていう意見があった。一方で、もう少し田畑さんを推す声も当然あるし、大きく言えば政治のあり方とかってことを自民党として示していくタイミングじゃないかと」

尾山謙二郎県議
「賛否両論ですよ。みんな。いろんな気持ちが皆さんある。地元でいろんな声、直接聞かせていただくこと多いじゃないですか」

こうした意見を踏まえ、自民党富山市連支部長の中川忠昭県議は“異例の対応”を提案しました。

自民党富山市連支部長・中川忠昭県議
「なかなか一致結束して仕上げて、議員が中心になって推すのも難しいのではないということを、私は感じ取ったわけであります。そうやって考えた時に、現職含めて、予備選なんかやることも必要じゃないのかなということを、最後にちょっと皆さん方考えてほしいと」
(総務会後の取材に対し)

予備選を提案した理由は「有権者に生まれ変わった自民党の姿を示し、一致団結して衆院選に臨むため」としました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。