奄美大島でおよそ30年かけて捕獲を続けてきたマングースの根絶宣言が、あす3日に発表される見通しです。根絶に向けた、これまでの動きを振り返ります。
この映像は1986年に撮影されたものです。奄美市の奄美観光ハブセンターでは、12年前までハブとマングースを戦わせるショーを行っていました。
マングースの生態に詳しい奄美観光ハブセンターの本山栄隆さんです。
(本山さん)「調教しないと、すぐすぐ闘わない。闘う訳じゃないですよ」
奄美大島では45年前の1979年、ハブを捕食することを期待し、およそ30匹のマングースが野に放たれました。
国や鹿児島県、奄美市によりますと、どの機関が何を根拠にマングースを放ったかについて、正式な記録はありません。
その後、昼に活動するマングースは夜行性のハブには向かわず、アマミノクロウサギやアマミヤマシギなど希少な固有種を捕食している実態が明らかになってきます。
奄美市は、1993年からマングースの捕獲作戦を開始。国も、2005年からは奄美の森をパトロールするマングースバスターズを結成しました。
(マングースバスターズ)「こういったこと(捕獲作戦)をやめずに続けることが根絶への一番の近道だと思う」
1993年度以降の捕獲数のグラフです。国や奄美市は、この31年間で3万2000匹あまりを捕獲。国が駆除にかけた予算は36億円に上ります。ピーク時には1万匹いるとされていたマングースは、2018年の1匹を最後に、この6年間捕獲はありません。
(本山さん)「マングースバスターズたちが、何十年間も一生懸命、夏冬、暑い時も寒い時も山の中に入って、捕獲したり調査したりした訳ですから」
環境省は今月3日、有識者らで構成される検討会を開き、奄美大島におけるマングースの根絶を宣言する見通しです。
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