大阪府堺市にある三十三銀行堺支店では今年8月、行員が詐欺被害を防止しました。9月2日、3人の行員に感謝状が贈られるとともに、地元の防犯ボランティア「オバスターズ」のメンバーが、振り込みにきた80代の被害女性になりきり、行員らとやりとりを再現しました。
【実際のやりとりの再現】
(行員)「きょうはどんなご用件ですか?」
(被害女性役)「振り込みをお願いしたいと思います。ATMだと10万円までしか振り込むことができないので、50万円一気に振り込みたいから窓口に来ました」
(行員)「では、こちらの振込用紙にご記入お願いします」
振込先が外国人の名前であることを不審に思った行員が女性に詳しく話を聞きます。
(行員)「こちらは、どのようなお振り込みですか?商品代金の支払いとか生活費の送金とか…」
(被害女性役)「いやいや、投資!投資なんですよ!」
(行員)「投資ですと証券会社の口座に振り込む場合がほとんどで、個人の口座に投資の資金を振り込むことはないんですが、投資ですか?」
(被害女性役)「LINEでここに振り込んでくださいと言われたんですよ。この人は投資の世界では有名なんだけどね。それでね、私も調べてみたんですよ。そしたら載ってました。だからこの人からここに振り込んでって言われたのでやってきました」
ここでさらに不審に思った行員は上司に報告し、上司が警察に通報します。
(被害女性役)「いまね、株が世の中こんなに下がっているのに、私の株がこんなにもうかってるんです。それにこんなにたくさんの方が(グループに)参加しているんです。だから大丈夫だと思いますよ」
行員は警察官が駆け付けるまで質問を重ねます。
(行員)「こちらの方とはいつ知り合ったんですか?いつから投資をされているんですか?」
(被害女性役)「もう、うるさいわね!早く振りこみさせてくださいよ。私は大丈夫ですから。詐欺だとしても私の判断でやりますから。ほっといてください」
その後、警察官が交じって説得すること1時間半。女性はようやく振り込みを諦めました。
実際に、説得に当たった行員は…
(三十三銀行堺支店 小川浩典副支店長)「お客様は『間違いない』とかなり思われていて、これは詐欺だなとこちらは確信したんですが、なかなかわかっていただけなくて、そこをわかっていただけるのに苦労しました」
防犯ボランティア「オバスターズ」のメンバーの1人・宮里眞澄さんは、あやしいと思ったら警察に相談することが重要だと話します。
(オバスターズ 宮里眞澄さん)「詐欺被害で500万円、600万円を振り込んでしまい、息子にも怒られ、あくる日から鬱になって生活ができなくなり、施設に入っている方がたくさんいます。もうけ話は絶対に詐欺。変な連絡があったらすぐに警察に言いなさい。気軽に相談に乗ってくれます」
大阪府内の特殊詐欺被害は今年、過去最大のペースの被害額となっていて、警察は注意を呼び掛けています。
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