関東大震災の際に虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典が1日午前11時、小雨が降る中、東京都墨田区の都立横網町公園に設置された慰霊碑前で営まれた。日朝協会など市民団体でつくる式典実行委員会は追悼文の送付を小池百合子都知事に求めたが、「(式典と同じ日に同会場である)都慰霊協会の大法要の中で、大震災の極度の混乱の中の事情で犠牲になられたすべての方々に哀悼を意を表す」との理由で届かなかった。

時間を短縮して行われた朝鮮人犠牲者の追悼式典=9月1日午前11時31分、東京都墨田区の都立横網町公園で(平野皓士朗撮影)

 式典は台風の影響を受け、人数を縮小して開催。実行委の20人が犠牲者に祈りをささげるとともに、虐殺の背景にあったとされる偏見や差別のない社会の実現を願った。

◆石原慎太郎氏も追悼文を送っていたが…

 実行委によると、式典は1974年に始まり、当時の美濃部亮吉さん以降の全ての都知事が追悼文を寄せていた。小池知事も就任1年目は送ったが、2年目の2017年から今年まで8年連続で見合わせた。実行委は「自然災害で亡くなった人と人の手によって命を奪われた人をごちゃまぜにしている。犠牲者への尊厳が感じられない」と抗議している。  関東大震災では「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマが広まり、関東一円で混乱に乗じて朝鮮人や中国人、日本の社会主義者らが殺害された。(原田遼) 

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