進路や勢力、速さなど予想を刻々と変化させながら日本に接近・上陸した台風10号。迷走台風とも言われた台風10号のこれまでを振り返ると、予断を持つことなく備える大切さがみえてきます。

台風10号は南の海上、マリアナ諸島付近で今月22日に発生。当初は北上し、西日本から東日本のどこかに上陸すると予想されていましたが、上空の低気圧に引っ張られるように進路を西寄りに変えました。

その後、九州の南で急速に発達し、27日には非常に強い勢力へ。経験したことがないような暴風などの恐れがあるとして、28日、鹿児島県に「台風に関する特別警報」が発表されました。

強い勢力で鹿児島県に上陸した台風10号は、勢力をやや落としながら長崎県の島原半島を通過しました。 台風の影響で、雲仙岳では降り始めからの雨量が400ミリを超え、壱岐や島原でも200ミリ前後の大雨となりました。

動きが遅い台風だったため、県内は29日およそ19時間にわたって暴風域に入っていました。 雲仙岳では最大瞬間風速38メートルを観測。 走行中のトラックが横転したり、屋根が吹き飛んだりするほどの暴風雨となりました。31日も海上を中心に風の強い状況が続く予想となっています。

台風10号の接近による風が1番強かったのは、長崎県では接近前の29日午前中でした。予想よりも早く風が収まったのは、台風が鹿児島に1度上陸したためとみられます。台風が上陸すると、台風の勢力を強める水蒸気の補給が減り、勢力を維持することができなくなります。そのため、勢力を落としながら長崎に接近したため、風も早めに収まったとみられます。

様々な条件の違いで勢力やピーク、進路を変える台風。今回影響をあまり受けなかった方も大丈夫だったと思わずに、これからもその都度対策をすることが大切です。

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