離島の警備などにあたる警察の「国境離島警備隊」に所属する巡査長ら3人が酒を飲んで車を運転したなどとして、警察は30日、停職3か月から6か月の懲戒処分としたことを明らかにしました。

懲戒処分を受けたのは、沖縄県警警備部警備2課の20代の巡査2人と、30代の巡査長の3人で、このうち20代の巡査1人は7月16日、酒を飲んだ状態で那覇市内で乗用車を運転したとして、酒気帯び運転の容疑で書類送検されています。

また、この巡査が運転していた車に乗っていた30代の男性巡査長と20代の男性巡査は、酒気帯び運転同乗の容疑で書類送検されています。

2020年に発足した「国境離島警備隊」の隊旗

警察によりますと3人は、7月15日の午後9時ごろから翌16日の午前2時ごろまで那覇市の複数の飲食店で酒を飲み、一度車内で休んだ後、午前7時半ごろから車でそれぞれ本島中部にある自宅に帰宅しようとしていました。

当時、巡査が運転していた車が蛇行していたことからパトロール中の警察官が職務質問し呼気検査をしたところ、基準値の約3倍のアルコールが検出されたということです。






3人は当初、「酒は抜けたと思っている」「一旦休んで帰れば大丈夫だと思った」などと話しましたが、呼気検査後には容疑を認めたということです。

警察は30日付けで、酒を飲んで車を運転した巡査を停職6か月、同乗していた巡査長を停職6か月、巡査を停職3か月の懲戒処分としました。

3人は今年4月に、他の都道府県から沖縄県警で離島などの警備にあたる「国境離島警備隊」に派遣されていました。このうち酒を飲んで車を運転した巡査と同乗していた巡査長は、退職の意向を示しているということです。

警察は今回処分された3人の氏名や年齢、出向元の警察を明らかにしていないほか、那覇地検がすでに下しているという3人の処分について、「答える立場にない」として、処分内容を明らかにしていません。

那覇地検は担当者不在を理由に「週明けの9月2日中に処分結果を連絡する」としています。

通常の「酒気帯び逮捕事案」と今回の事案は対応に差

県警は通常、酒気帯び運転で容疑者を逮捕した場合速やかに報道各社に広報していて、今週も酒気帯び運転事案で被疑者を現行犯逮捕し約3~4時間で実名広報したケースは複数あります。

しかしこの警察官3人は身柄を拘束されておらず、懲戒処分を公表した8月30日は、事案の発生から45日が経過していました。

県警監察課によると過去10年(2015年~今年)で警察職員が飲酒運転で処分された事案は今回を含め8件10人に上りますが、このうち強制捜査を受けたのは2020年の1件1人だということです。

沖縄県警の田中真実警務部長は「飲酒運転は、断じて許されない行為であり、県民の皆様の信用を大きく損ねたことを深くお詫び申し上げます。職員に対する指導を徹底するとともに、職務倫理教養を一層強化して再発防止に努めてまいります」とコメントを発表しています。

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