迷走を続ける台風10号は、関東など離れた場所でも冠水や土砂崩れなど被害が。交通にも大きな影響が出ていています。(8月30日「Nスタ」午後5時30分ごろの放送より)
■関東でも冠水・土砂崩れ 台風10号の“遠隔豪雨”
日比麻音子キャスター:
台風10号がまだ上陸していない関東各地で大雨などの影響が出ています。
▼神奈川・伊勢原市:土砂崩れで通行止め
▼神奈川・二宮町:葛川が氾濫、一時緊急安全確保
▼埼玉・川越市:入間川など氾濫のおそれ、一時緊急安全確保
緊急安全確保は5段階の警戒レベルで最も危険度が高いレベル5、直ちに命を守る行動をとるように呼びかけるものです。
台風から離れているにもかかわらず、なぜここまでの影響を受けたのでしょうか。
森田正光 気象予報士:
“遠隔豪雨”というのですが、台風の中心に向かって南東側からどんどん湿った空気が入り込み、上昇気流が強められ雨量が多くなるのです。
また30日午後4時現在、台風の中心は九州のあたりですが、それとは別に南から熱帯低気圧の影響もあり、それらが合わさって豪雨となっているようです。
■ノロノロ台風 影響長引く? 関東で記録的大雨
さらに今年は海水温が高く、日本近海でもまだ30度くらいあります。海水温が高いと当然、水蒸気の量が増えるため、それが雨に結びついているのです。今回の台風は動きが遅いので、雨も長時間も続くということになります。
今後台風は東に進み、おそらく31日に熱帯低気圧に変わるとみられますが、まだ断定はできません。
【大雨警報級の可能性が高い地域(気象庁防災情報をもとに作成)】
30日:東北・関東甲信・東海・近畿・中国・四国・九州南部
31日:東北・東海・近畿・中国・四国・九州南部
9月1日:東海
日比キャスター:
熱帯低気圧に変わっても勢いが収まるわけではないということですか?
森田正光 気象予報士:
台風と熱帯低気圧は中心付近の風速の違いだけです。最大風速が17m未満になると「熱帯低気圧」と呼びます。現在、最大風速は18メートルですので「台風」となっています。
台風であるということと、雨の強さは全く別物だと考えてください。
■集荷・配達停止など物流に影響も
日比キャスター:
この大雨で物流などにも影響が出ています。
【佐川急便 台風10号の影響(30日 午後5時現在)】
・30日 集荷・配達停止
高知、愛媛の全域、神奈川、香川、宮崎、長崎、大分の一部地域
・9月1日まで 集荷・配達を停止する可能性
関東、中部、近畿、中国
森田正光 気象予報士:
30日夜から9月1日にかけて、関東も含めて局地的な雨が降りやすくなっています。状況は常に変わることを頭に入れておいてください。
山内あゆキャスター:
警報が出ていなくても、子どもを学校に行かせるのは危ないなと思ったときは、お休みをさせてもいいのかなと思います。
森田正光 気象予報士:
それはすごく大事な視点だと思います。
日比キャスター:
週明けまで柔軟に話し合って様子を見て行動をしてください。
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