強い台風10号は九州に上陸し、今後時間をかけて静岡県に接近する可能性があります。静岡県内では雨が降り続いていて気象台は8月29日の夜から線状降水帯が発生する恐れがあるとして厳重な警戒を呼びかけています。

<三島乾児カメラマン>
「静岡市駿河区です。夕方になり雨足が強まってきました」

降り続く雨はすでに4日目。降り始めからの雨量は400ミリを超えるところも出ていて静岡市と浜松市では一部地域に避難指示が出ています。御前崎市では453ミリを観測していて、これは8月1か月分の雨量の3倍ほどです。

静岡地方気象台は29日の夜から30日の昼前にかけて線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があると発表しました。

<静岡地方気象台 石丸和樹予報官>
「大雨に関する特別警報の可能性が高いと思っている」

大雨特別警報の可能性にも言及。数十年に一度のこれまで経験のないような状況を想定し、早めの備えを呼びかけました。

台風10号は静岡県内に9月1日から2日ごろに最も接近する見込みです。静岡県内の夕方からの24時間雨量は9月1日にかけて3日連続で多いところで300ミリと予想されています。

下田市の海水浴場では雨が断続的に降り、海水浴客はまばら。海水浴グッズのレンタル業者も店じまいです。遊泳禁止にならない限り海水浴場は8月31日まで開く予定ですがー

<下田市夏期海岸対策協議会 酒井厚志原田支部長>
「鉄道が止まっているところが多いので客は少ない。台風の速度が遅いので期間内は客の足は遠のきそうな感じ」

JR東海によりますと東海道線は運転を見合わせていた静岡駅と豊橋駅の間で8月29日の夕方以降すべての列車が運休。また、8月30日は富士駅と豊橋駅の間で始発から運転を見合わせる計画です。30日の東海道新幹線は三島駅から名古屋駅の間で終日運転を取りやめます。

台風の接近に伴い、農家も対応に追われています。葵区新間の自然薯農家は、突風などでツルが倒されないよう、固定するひもを結び直したり、補強用のパイプの本数を増やしたりしました。

<自然薯農家 藤田匠さん>
「自然薯はいまからの時期にまだ50~60センチ伸びるので、(ツルが倒され)根本がとんでしまうと商品として価値がなくなってしまう」

藤田さんの畑は2022年の台風15号の際、近くを流れる川があふれ浸水。多くの自然薯が水に浸かり、被害総額は1000万円に及んだということです。

<自然薯農家 藤田匠さん>
「できることをやって『人事を尽くして天命を待つ』というところ」

静岡市の日本料理店ではコース料理の予約のキャンセルが相次いでいます。

<日本料理うおかね 高木郁子若女将>
「やっぱりね、お祝いなので、ちゃんとできる良い日にやっていただくと良いかなとは思うんですけど」

<日本料理うおかね 高木一浩社長>
「(台風が)今週末はもう行っちゃってるだろうっていう予想でいたんだけども、軒並みその週末もキャンセルになってしまって、結局、先週から手配したものがちょっと行き場を失うっていう状況」

食材によっては廃棄するものもありますが新鮮なマグロは急速冷凍に。

<日本料理うおかね 高木一浩社長>
「なるべく生は生で食べていただきたいっていうのが本音ですね。いかにこういう風(冷凍)になったものをどう使い分けていくかはやっぱり考えてやっていかなければいけない」

静岡県は先ほど県内全市町に対して災害救助法の適用を決めました。避難所設置などの費用を国や県が負担することになります。

<静岡県 鈴木康友知事>
「ハザードマップや避難場所、経路などの確認、停電、断水なども視野に、明るいうちに早め早めの備えをお願いいたします」

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