「ルフィ」などと名乗る指示役による一連の強盗事件のうち、東京・狛江市の住宅で90歳の女性が死亡した事件。強盗致死などの罪に問われた特定少年の男の裁判で、女性の遺族が代理人を通じて意見陳述し、「母の死に際の『助けて』という言葉を死ぬまで忘れないでほしい」と訴えました。

当時19歳だった中西一晟被告(21)は去年1月、ほかの男3人とともに東京・狛江市の住宅で90歳の女性に暴行して死亡させ、腕時計などを奪ったなどとして強盗致死などの罪に問われています。

きょうの裁判で、亡くなった女性の遺族が代理人を通じて意見陳述しました。

事件直後に女性の遺体と対面した際、「何も声をかけらなかった」という遺族は、「(女性の)体中の骨が折れてしまっているという過酷な現実を受け入れたくなかった」と振り返りました。

そして、「母はバールで殴られていた際に、『お父さん、助けて』と言っていたそうです」「体中の骨を折られながら母が取った必死の行動は、20年以上前に亡くなった伴侶(夫)に助けを求めることでした」と悲痛な思いを語りました。

中西被告には、「死ぬまで母の死に際の言葉を忘れないでほしい」「極刑にならないのであれば1日も長く刑務所にいてほしい」と訴えました。

中西被告は遺族の意見陳述を代読する代理人をじっと見つめていました。

検察側はきょうの裁判で、「犯行は残忍で凄惨」「被害者は家族5人で暮らしていた幸せな人生を突如奪われた」として、中西被告に懲役25年を求刑しました。

判決は9月6日午後3時に言い渡される予定です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。