鹿児島県に上陸した台風10号。東海地方でも線状降水帯の予測情報が発表されるなど、影響は東へと広がっています。28日、宮崎市では竜巻とみられる突風も発生し、大きな被害が出ました。
■28日に宮崎市で竜巻とみられる突風被害相次ぐ なぜ発生?
加藤シルビア キャスター:
28日、宮崎市で竜巻とみられる突風被害が相次ぎました。
午後2時ごろ、宮崎市佐土原町で住宅の屋根が壊れたり、車が横転したり、樹齢300年を超える木が倒れたりするなどの被害がありました。
また、午後11時ごろ、宮崎市城ヶ崎などで広い地域で停電があり、窓ガラスが割れ、さらに倉庫が全壊したという被害もありました。
竜巻は、どのようなメカニズムでできているのか見ていきます。
積乱雲ができると、その下にある地表付近の暖かい空気が上昇気流に乗って上昇する中で渦を巻くようになり、さらにそれが発達すると竜巻になります。
ここに台風の要素が加わると、台風の南にある暖かく湿った空気が台風に巻き込まれるような形になり、その東側に積乱雲が発生するということです。そして積乱雲が発生すると、竜巻が起きる可能性があるということです。
國本未華 気象予報士:
台風にかかわらず、積乱雲単体でも竜巻が発生することはあるのですが、台風のときの方が風がねじれやすく、それをきっかけに渦を巻いて、それが積乱雲の上空の渦と繋がって竜巻が起こりやすくなります。
日本で発生している竜巻の多くが台風に関連しているというデータもあります。
ホラン千秋キャスター:
竜巻注意情報などが発表されたら、「これから起こるんだな」というふうに思った方がいいのか、もう竜巻注意情報が出る頃には竜巻が発生していてもおかしくないのか。
どう判断すればいいのでしょうか?
國本気象予報士:
結構近々で発生していてもおかしくないという状況のときに出ることが多いです。ただ、予測も含まれていますので、向こう1時間程度は竜巻に注意という状況は言えます。
ホランキャスター:
竜巻とみられる映像を拝見すると、普通の風とは全く違うなと感じます。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
政府の対策本部でも最近、雨や暴風の予測はスーパーコンピューターでかなりできるようになりましたが、竜巻の発生の予測は相当難しいです。これから竜巻などが頻繁に起きるようになると、どういう形で竜巻の発生を予測して予報を出していくかというのは、これからの大きな課題になりそうです。
井上貴博キャスター:
竜巻注意情報の的中率は5%くらいなので、的中させるのは本当に難しい。
あとは、被害が出た後に修理などでの詐欺も横行するので、そういうところは気をつけていただきたいなと思います。
■“竜巻発生” 今後の可能性は? 台風から離れている場所でも要警戒
國本気象予報士:
竜巻は雨雲が活発な場所に伴って発生しますが、リアルタイムの雨雲の様子を見ていくと、台風中心の東側に集中して発達した雨雲があります。
中でも、竜巻の発生しやすい地域は現状、高知県と徳島県の辺りなどになっています。
竜巻の予測を雨雲の予想と重ねると、ちょうど高知県と徳島県の辺りで被っているので、この辺りは竜巻が発生する可能性が現状は高いということです。
さらに向こう1時間の竜巻の予測を見ていくと、発生する地域は引き続き、高知県と徳島県の辺りになっているので注意が必要な状況です。
台風の動きとともに台風が発生するエリアがずれていくので、最新情報は気象庁のホームページからも確認できます。
井上キャスター:
四国の辺りに台風の外側の雲がかかり続けているということですか?
國本気象予報士:
台風の外側に雨雲の塊が分かれて、高知県と徳島県の辺りが湿った空気の集中帯になっていて、さらに関東地方や東海地方にも流れ込んでいるエリアがあります。
逆に言うと、雨雲の隙間が多少ありますので、雨がやんでも終わったと思わずに、繰り返し激しい雨が降るということに注意が必要になりそうです。
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<プロフィール>
気象予報士 國本未華さん
北海道室蘭生まれ、東京育ち
大学生で気象予報士、のちに防災士の資格も取得
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