全国の河川などで、5万隻以上の船などの不法係留が問題になっています。新潟県内でも1500を超える不法係留が確認されていて台風10号が迫る中、河川事務所は自主的な移動を呼びかけています。

【記者リポート】「阿賀野川の河川敷ですが、小さなボートが置いてあり、その隣には大きな舟もあります。さらに進んでいくと船体を置く台のようなものがあちらこちらに置いてあります」

新潟市 東区の阿賀野川の河口からおよそ2キロ離れた場所に置かれた多くの船。

中には、長年にわたって放置されているのか、草やつるに覆われた船も。
これらは、国や県の許可を得ず泊めている不法係留船です。

古い船だけでなく、比較的新しく取材中に動き出す船もありました。北陸地方整備局によりますと、不法係留船は全国でおよそ5万6000隻。県内ではおよそ1600隻確認されているということです。

【北陸地方整備局 阿賀野川河川事務所 越野正史 副所長】「海に近いという所と背後に住宅が多く利用される方が多い」

これらの許可なく泊まっている船に対して、近隣住民は…
【近隣住民は】「ずっと前からあるね。(昔は)お酒を持ってきてそこで寝泊まりする人もいた」

【近隣住民は】「この辺は川沿いだから何十年も前でしょ」
Q 「泊めちゃいけない場所と認識は?」
「昔からあるからそういうものだと思っていた」

昔から船が泊められていて、不法に泊められている認識がない地元住民も。不法係留船は災害時に影響を及ぼす恐れがあるといいます。

【北陸地方整備局 阿賀野川河川事務所 越野正史 副所長】「自然災害時にゲートに引っ掛かったり、橋脚などに引っ掛かって河川の流れの阻害になったり、転覆して油の流出になりますと、河川環境に影響がありますので」

船の近くには、水門があり、増水した場合閉じますが、流されてきた船によって水門が閉められなくなると水が住宅街に流れてしまう恐れがあるということです。

実際に、船を係留している人に話を聞いてみると…
Q「ここに泊めていて問題ない?」
【不法係留者は】「どこかに泊めて漁するには泊めておく他ないでしょ。マリーナがあるわけじゃないし」

【不法係留者は】「台風が仮に来て、風もそうですけど水も出ますよね。船が浮くわけですよ。その浮くのを養生をしておけば絶対に大丈夫だと自信持っています。
近くにマリーナができるのが一番いい。そこを造って皆さん移ってくださいと言えば移ると思いますよ」

阿賀野川 河川事務所はマリーナの建設について、自治体など関係各所と連携しながら進めていきたいとしていますが、台風10号が接近する中で、自主的に移動をしてほしいと呼びかけています。

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