台風10号 九州の南でさらに発達 台風の目も 

台風10号は、27日未明には奄美市の東の海上にあって西北西へと向かっています。中心気圧は970hPa、中心付近の最大風速は40m/sで前日に比べて発達をし始めています。衛星画像では台風の目も確認できるようになってきました。

気象庁進路予想(JMA)

台風10号はこのあとも西寄りへとゆっくりとした速度で進みます。あす28日(水)未明には九州の南の海上を中心とする予報円に達する見込みです。

台風が進む予想となっている海域の海水温度が30℃前後と非常に高いことや、鉛直シアは小さく台風の発達を妨げるような上空の風の場とはなっていないため発達しながら九州の南の海上に達する29日(木)未明には「非常に強い勢力」となる予想です。

ここで次第に北寄りへと向きを変えて、30日(金)には九州を中心とする予報円に達したあと、進路を北東寄りへと大きく変えて、九州に上陸する可能性が高まっています。

その後は中四国・近畿・東日本方面へと進む予想となっていますが、台風を流す上空の風が弱いために、台風は自転車並みゆっくりとしたスピードで進む予想です。31日(土)未明の時点でもまだ近畿地方を中心とした予報円にあります。

ただ、予報円が非常に大きいことからもわかるように予報にはかなりのブレ幅があります。またこの数日間でも進路予想は大きく変わっています。最新情報を確認してください。

【画像で確認】全国各地で大荒れに 大雨・暴風シミュレーション(9月1日まで)

アメリカ予報機関 九州上陸後に日本列島縦断コースを予想

アメリカ海軍進路予想(JTWC)

アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。

アメリカ海軍の進路予想では、傾向は気象庁と大きく変わりません。九州の南の海上までは北西方向へと進んできて、その後、北東よりに進路を変えて九州から中四国・近畿方面へと進む予想となっています。アメリカ海軍の予想でも九州の西側まで進む可能性を示しています。最大風速をみると九州の南の海上に達したあたりで勢力が最も強くなっています。

ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)

【画像で確認】全国各地で大荒れに 大雨・暴風シミュレーション(9月1日まで)

アメリカ海洋大気庁(NOAA)

台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行います。数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報の結果をみると、さらに西寄りへと変わりこちらも九州上陸後に日本列島を縦断するコースを示す予想データが多くなっています。

ヨーロッパの予報機関も九州付近から中四国・近畿を直撃するデータ多く

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)

ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル予報結果です。他のモデルと同様に九州の南の海上まで進んだのち、進路を北東寄りに変えて日本列島に上陸する予想となっています。ヨーロッパモデルでも九州東部・四国あたりに進んで中国・近畿あたりを直撃する予想データが多くなっています。

【画像で確認】全国各地で大荒れに 大雨・暴風シミュレーション(9月1日まで)

気象庁の別モデル雨・風シミュレーション 九州を西回りで北上か

台風進路予想モデルとは異なりますが、日々の天気予報で使われる気象庁の別の数値予報モデルの結果です。予想が更新される度に本州への接近が遅くなっています。

【画像で確認】全国各地で大荒れに 大雨・暴風シミュレーション(9月1日まで)

※最終的な台風情報については気象庁の進路予想を参考にしてください。

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