今週は台風10号の進路によって、予定が左右される1週間になるかもしれません。自転車より遅いスピードでノロノロと日本列島に接近している台風10号。遠く離れた場所でもすでに大雨となっている場所もあり、警戒が必要です。

水しぶきをあげて走る車。これは午後7時ごろに愛知県武豊町で撮影された映像です。

撮影者
「急にどしゃっと雨の音がすごくなったので、ちょっと窓を開けてみた。気づいたら川になっていた。もう5分ぐらいで、台風来たのかなってぐらいの感じですごかったです」

各地で降る大雨。接近前の台風10号の影響とみられています。

台風10号からの湿った空気の影響で、26日未明には栃木県北部で線状降水帯も発生。塩谷町付近などで「記録的短時間大雨情報」が出ました。

川から水が溢れ、道路に押し寄せている様子が確認できます。

撮影者
「川は濁流のようですよね。一番深いところは膝ぐらいまで来てました」

さらに気象庁は26日夜、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県に線状降水帯発生の“半日前”予測情報を発表しました。4県では27日の午前中、線状降水帯が発生して、大雨による災害が発生する危険度が急激に高まる可能性があります。

強い勢力で日本列島を縦断するおそれのある台風10号。

気象庁 予報課 立原秀一 主任予報官
「台風は非常に強い勢力で接近する恐れがある。台風に対する危機感、警戒感を高めてください」

今回の台風10号、やっかいなのは台風の強さに加えて、その「スピード」。現在、日本の南を時速10キロの速さで西北西へ進んでいますが、これは自転車よりも遅い速度です。

気象庁 予報課 立原秀一 主任予報官
「この後、向きを変えるという状況も重なる、さらに動きが遅くなるという見通し。暴風や高波、大雨の影響が長引く恐れがある」

それに伴う雨量は27日以降、木曜日にかけて、東海から九州で200ミリから400ミリと予想されているほか、風についても。

気象庁 予報課 立原秀一 主任予報官
「28日になると、九州南部・奄美地方では最大風速45メートル、九州北部地方で最大風速30メートルなどの予想」

一体、どれほどの風が吹く予想なのか。今回の台風で予想される風速30メートルを体験してみると。

南波雅俊キャスター
「これは無理だ。前に行けない。前に行けない。目が開かない」

気象庁 予報課 立原秀一 主任予報官
「40メートルを超えるような風については、一部の住家が倒壊するような恐れのある風速になります」

今月8日、震度6弱の揺れが襲った宮崎県日南市では、台風への備えが急ピッチで進められていました。市内の瓦業者には修繕依頼が殺到。そのうちの1軒に同行すると、屋根には今にも落ちそうな瓦が…

屋根の修繕依頼者
「一応シートをはって、あと台風がよけてくれるの願うだけ」

瓦の張り替えは1週間ほどかかるため、26日はビニールシートが風で飛ばないように補強する作業などが行われました。

日南セメント瓦工業所 黒岩久登 代表取締役
「屋根からの雨漏りはもしかしたら止めることはできないかもしれません。被災者の方には苦しい状況になっている」

台風への備えは東海地方でも。愛知県田原市の農園で行われていたのは、バナナの収穫作業。

吉田園 吉田訓章さん
「(収穫日は)きょうではなかったが、台風が来ているということで、全部倒れてだめになってしまうより、先に収穫して」

吉田園では去年6月、台風2号の接近に伴う豪雨でハウスの中まで浸水する被害が…

吉田園 吉田訓章さん
「植えてある野菜は全滅に近い状態になった。やれるだけのことをやって、(台風が)過ぎ去るのを待つ」

交通機関の情報も早めの確認が必要です。JR各社は山陽新幹線で29日から30日の間に、東海道新幹線で29日から31日の間に計画運休などの可能性があると発表。

JR九州はあす以降、九州新幹線や在来線の運行に影響が出る可能性があるとしています。

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