「あと数分遅ければ助かっていなかった」。民家が炎に包まれていく中で、小学生と中学生の女の子の命を救った男性に、広島市消防局などから感謝状が贈られました。

感謝状が贈られたのは、広島市東区の警備員、池田孝志さん(57)です。

7月13日午後2時40分ごろ、広島市東区で「建物から煙が出ている」と119番通報がありました。JR芸備線の矢賀駅からほど近い場所で、火元となった民家は家族4人が暮らしていました。

火事があった住宅

近くに住んでいた池田さんは、買い物に行く途中、偶然通りかかりました。

池田孝志さん
「黒煙があがって、『パンッ』という音も聞えた」

火が上がる住宅に人影が…男性がとった行動は

火事があった住宅

火が出ている住宅を見ると、1階に掛るカーテンに人影が見えました。「誰かおる?」。とっさに住宅に向かって走り、網戸とカーテンを開け叫びました。

すると奥から小学生と中学生の女の子が歩いて出てきました。池田さんはすぐに窓から1人ずつ女の子を抱え、2人を救出しました。

普段は警備員として働く池田さん、当時の様子を「体が自然に動いた」と振り返ります。

その後、女の子たちの両親は自力で脱出し、民家に住む全員が避難できました。無事だった娘たちを見て、母親は涙を流していたといいます。

当時の状況について話す池田さん

火は約1時間半後に消し止められましたが、住宅が全焼したほか、隣接する倉庫などが焼けました。それでも住宅の住人を含めてけが人はいませんでした。

消火活動に当たった消防隊は「あと数分遅ければ助かっていなかった」と当時の状況を話します。この勇気ある行動に対して広島市東消防署と広島東警察署は20日、池田さんに感謝状を贈りました。

感謝状を受け取った池田さんは「嬉しいというか申し訳ないという気持ちがあります。僕の中ではそこまでのことではないです」と少し照れながら話しました。

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