今年7月30日、電話の向こう側にいる夫と通話しながら大阪府八尾市のコンビニのレジカウンターに訪れた80歳代の女性。「iTunesカード」と書かれたメモを片手に「こんな名前で5万円分の置いてない?」と店員に声をかける女性。

その言葉を聞いたアルバイト店員で近畿大学3年生の東慎之介(21)さんは、とっさに理由を聞いた。すると、女性は「パソコンの修理やねん」と答えた。東さんはすかさず、「詐欺かもしれません、やめたほうがいいですよ」と声をかけたという。

女性は、夫に購入を急かされていたそうだが、東さんの説得があって購入をとどまった。その後、女性は警察に通報した。

警察によると、女性の夫がパソコンの操作をしていたところ、「パソコンにウイルスが感染している」といった嘘の警告と共に電話番号が表示、女性の夫が電話したところ、通話相手からパソコン修理のためにコンビニで「電子マネー」を購入するよう促されたという、つまり「架空請求詐欺」だった。

そして、大阪府警八尾署は「特殊詐欺被害の未然防止に大きく貢献した」として、東さんに感謝状を贈呈した。実は、東さんが勤めるコンビニでは、以前にもアルバイト仲間が同様の特殊詐欺被害を未然に防いだことがあった。当時の状況がアルバイト仲間の間で共有され、今回の件にも繋がったという。

東さんは、「僕以外でも誰でも詐欺をとめられるように自分の経験をアルバイト仲間にも伝えていきたい」と話した。

コンビニ店員が判断の目安「チェックシート」を大阪府警が配布

また、大阪府警八尾署では地域のコンビニを訪れ、高額な電子カードを購入する人に対して、店員が詐欺かどうかの確認ができる「チェックシート」を配布するなどして、特殊詐欺についての対策を行っている。

八尾市内では、去年1年間で127件、あわせておよそ1億6800万円の特殊詐欺被害が起きていていて、警察は特殊詐欺への警戒を強めています。

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