短い期間、村外の子どもを保育園に受け入れるいわゆる「保育園留学」の取り組みが、福島県内で初めて鮫川村で始まりました。

プールで楽しそうに遊ぶ、森たけるちゃん(2)。鮫川村にある「さめがわこどもセンター」に通っています。

普段は都内に住むたけるちゃん一家ですが、8月18日から「保育園留学」をはじめ、鮫川村にやってきました。

保育園留学とは、子どもが主役の暮らし体験で、1、2週の間、多様な地域に家族で滞在し、保育園に通わせながら、親も働ける取り組みです。今回、鮫川村は、人口減少や少子高齢化による担い手不足を受け、村外の人に滞在してもらうことで第3の故郷として関わりを持ってもらうことなどを目的に、県内で初めて取り入れました。

子どもは保育園、両親はテレワークで仕事

森さん一家は、都心ではできないような農業体験や星空観察などに魅力を感じ、保育園留学を決めたといいます。たけるちゃんは、保育園で遊んだり、村で生産された米や夏野菜が使われた給食を楽しんだりして、地元の子どもたちと同じように過ごしていました。

留学期間中、家族は、ネット環境が整った一棟のゲストハウスで過ごしていて、子どもを保育園に通わせている時間、両親はテレワークで仕事をしています。

父・喬さん「色んな人と子どもが触れ合いながら、片方で仕事ができるのはありがたいなと思いました」

この留学を通して、たけるちゃんにも変化があったと言います。

母・志歩さん「ほかの住民の方に自分から『こんにちは』と言っていたりするので、自分から関われるようになってきたんだなというのが見えてきたところではあります。子どもの中でもすごく楽しく過ごせている部分があっていいなと思います」

鮫川村・鈴木大介副村長「人口減少が進む中でも、村の魅力をしっかり発信して、たくさんの人に来ていただく。そのことによって村が活性化する、来た人も、そしている人も幸せになる、そういうところに力を入れていきたいという風に考えております」

保育園留学は、2歳から未就学児まで利用でき、鮫川村では、今後も保育園留学の受け入れていくということです。なぜ、こうした取り組みが始まっているのでしょうか。

利用者、受け入れ自治体 双方にメリット

この「保育園留学」は、普段暮らしている場所とは違う地域の保育園に短期間通う制度で、親は働きながら地域に家族で滞在できる「暮らし体験」ができます。

今回、鮫川村に滞在している森さん一家は「都心ではできないような体験や、森林の中で子どもを遊ばせることなどが魅力だった」としています。

一方、受け入れる側にとってもメリットが3つあります。

(1)関係人口創出
担い手不足が深刻となっている鮫川村ですが、滞在してもらうことで、保育園留学終了後も村の人たちと関わりをもってもらうことができます。
(2)村の魅力を発信
(3)ほかの地域に住む同世代の子どもたちと交流をすることで、村の子どもたちの多様性を育む

こうしたメリットがあります。

福島の魅力を実感してもらい、交流人口が増えていく。県内では、今後こうした取り組みが増えていきそうです。

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