今回のヒーローは、球際の強さと豊富な運動量で中盤から攻守を支える司令塔、ベガルタ仙台MF・松井蓮之選手です。今年3月、川崎フロンターレから期限付き移籍で加入すると、すぐに存在感を示しボランチとしてスタメンに定着。いまや、J1昇格を目指すチームに不可欠な戦力となっています。その素顔とは…。

松井選手がベガルタに来た理由

松井蓮之選手は福島県いわき市出身で、サッカーの強豪校・法政大学を経て2022年、川崎フロンターレでプロのキャリアをスタート。

昨シーズンは、主に町田ゼルビアでプレーしJ2優勝に貢献しました。若手のホープと期待を集める松井選手がJリーガーとして東北の地で戦う思いとは。

ディレクター:
シーズン途中で移籍を決めた理由は?
ベガルタ仙台 松井蓮之選手:
仙台から今年の頭からオファーをいただいていて、そこが一番強かった。何度も何度も声をかけてくれたので。仙台をJ2からJ1に上げるために来ました。

J1昇格へのピースとして、シーズン途中の3月ベガルタに加入。昨シーズンは町田ゼルビアでJ2優勝を経験した松井選手ですが、今年ベガルタに初合流した際、町田時代にも感じた、上位チームのある共通点があったといいます。

町田とベガルタとの共通点は

ベガルタ仙台 松井蓮之選手:
去年の町田はチームとして一体感がありましたし、そこは仙台も似ていると思っています。優勝するチームの雰囲気の良さだったり、練習で厳しいことを言い合っている印象もあります。また監督やコーチが意見を言って、それに対し自分たちからも色んな意見を言うのはなかなかできることではないと思うので、仙台の雰囲気の良さを感じました。

長いリーグ戦の中で、最もその結束力を試されるのが山形とのみちのくダービー。まさに互いの意地とプライドをかけた負けられない戦いです。

アクシデント、突然訪れた出番…

4月ホームで行われた、今シーズン最初のダービーは、ベガルタがリードする試合終盤、思わぬ形で松井選手に出番が回ってきます。

ベガルタ仙台 松井蓮之選手:
急にベンチから蓮之と呼ばれて、準備していない状況でピッチに入るとこになりました。初ダービーでいい試合をしていたので緊張しましたし、本当に試合に入れるのか不安でした。

2点をリードし勝利が見えてきた後半、ゴール前の競り合いでMFの長澤選手が頭部を負傷。スタジアムも騒然とする中、負傷退場を余儀なくされた長澤選手に代わって急遽ピッチに入ったのが松井選手でした。

ベガルタ仙台 松井蓮之選手:
(試合中は)頭をクリアにして自分の良さを出そうと思っていました。

残り時間はおよそ20分、1つのミスが命とりとなるシビアな状況で松井選手は安定したプレーを見せ、試合を落ち着かせます。そして試合はそのまま終了。アクシデントを乗り越え、チーム全員で掴み取ったダービー勝利。試合後には治療を終えた長澤選手とも喜びを分かち合いました。

長澤選手に勝利を報告

ディレクター:
試合後、交代した長澤選手とはどんな会話をしましたか。
ベガルタ仙台 松井蓮之選手:
結構頭をテーピングでぐるぐるに巻いていて、あまりにも痛そうだったので、大丈夫ですかと言ったら、(長澤選手から)大丈夫だよと。そして何とか勝ちましたと伝えました。長澤選手と代わるのは、大事なタスクを任されると思っていたので、本当に勝ててよかったです。見本となる先輩がいるので、色んなものを吸収していきたいと思っています。

この試合以降、主に長澤選手とダブルボランチを組み、ベガルタの中盤を支えている松井選手。

移籍後の初ゴール

5月の群馬戦では、相棒・長澤選手のキックから、こぼれ球に反応すると、すぐさまゴールをアピール。結果、これが移籍後初ゴールとなりましたが、ベンチは誰が決めたのか分かっていなかったようで…。

ベガルタ仙台 松井蓮之選手:
僕はラインを割っているのを分かっていたので、自分が決めたと分かっていたが、ネットも揺れていないので、際どいラインでみんな分かっていなかった。(決めたの)俺だよと。仙台での初ゴールだったので嬉しくて貪欲にアピールしました。想像していたゴールとは違って、もっと豪快に決めてサポーターと喜びを分かち合いたかったですけど、よくわからないゴールでも、歓声を上げてくれて嬉しかったです。

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