仙台市泉区の男性が警察官などを名乗る男らに600万円をだまし取られた事件で、巧妙な手口の詳細が見えてきました。きっかけは、固定電話にかかってきた自動音声でした。
はじまりは不審な自動音声
7月30日、仙台市泉区の70代男性の自宅に不審な自動音声の電話がかかってきました。
自動音声:
「総務省です。あと2時間以内に電話が使えなくなります。オペレーターにつなぐ場合は1番を押してください」
音声に従うと総務省の担当者を名乗る男に電話が繋がりました。
総務省職員装う男:
「あなたの名義で携帯電話が契約され、迷惑メールが多数送られています。心当たりがなければ警察に相談してください」
新宿警察署捜査二課からも電話?
さらに電話は警察官を名乗る別の男に転送。男は、「あなたは詐欺事件に関与しているのではないか」と不安をあおり、LINEでやり取りをするようになるとこんなことを言ってきました。
警察官を装ったの男:
「詐欺事件に関わっていないか確かめるため、あなたの口座の金の紙幣番号を確認したい。指定する口座に金を振り込んで欲しい」
男は新宿警察署捜査二課の木村雄二と名乗りました。実際に被害男性に送られてきた警察手帳の画像です。さらに逮捕状の画像も送られてきました。もちろん全て偽物です。
不安をあおられ話を信じた被害男性は、ネットバンキングを使い複数回にわたり指定された口座に600万円を振り込みだまし取られました。
被害総額は2億円に迫る
宮城県警によりますと、こうした官公庁をかたる特殊詐欺被害の件数は、今年7月末までに県内で11件発生し、被害総額はあわせておよそ1億9460万円に上っているということです。
特殊詐欺の手口は年々巧妙化しています。振り込み限度額の大きいネットバンキングに誘導して巨額の金をだまし取る手口も増えてきているということで注意が必要です。また、今回のように警察官がLINEで警察手帳や逮捕状の画像を送ることは決してありません。警察は自動音声の不審な電話がかかってきたら一度電話をきって警察署などに相談してほしいと呼びかけています。
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