マリアナ諸島付近で台風10号発生 “発達ピーク”で日本へ接近か

22日午前3時、気象庁は台風10号が発生したと発表しました。マリアナ諸島付近にあった熱帯低気圧の中心付近の最大風速が台風の基準となる17.2m/s以上となったためです。台風10号のアジア名は「サンサン」で、これは香港が提案した名称で「少女の名前」を意味しています。

台風10号は、このあと進路を北よりに変え、日本列島に向かって北上する予想です。徐々に発達して暴風域を伴うようになり、現時点の予想では27日(火)未明には本州のすぐ南の海上を中心とする予報円に強い勢力で達する見込みです。5日間の予報期間の中では5日先の勢力が最も強くなっています。

現在、西日本の周辺海域は日本海も含めて沿岸部まで海水温が30℃前後と非常に高くなっています。海水温だけをみれば、仮に台風がこの海水温が高いエリアを進んでくれば日本に接近するまで発達を続けやすい状態です。

台風進路予想モデルとは異なりますが、日々の天気予報で使われる数値予報モデルの結果では、来週前半には台風10号とみられる渦を巻いたものが本州のすぐ南まで接近すると予想されています。

【画像で詳しく見る】台風10号は来週日本へ接近予想 27日(火)までの雨・風シミュレーション

台風の進路予想図で示されている白い円の大きさは「予報円」で、台風の中心が到達すると予想される範囲を示しています。 予報した時刻に、この円内に台風の中心が入る確率は70%です。 円が大きくなっているからといって台風が大きくなることを意味するものではなく、予報のバラツキを表しています。

台風10号の5日先の予報円は大きく、予想にはかなりのバラツキがありますが、このあたりを海外の進路予想と比較しながら見ていきましょう。

アメリカ海軍の進路予想 日本に近づくにつれ発達

アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。

22日午前3時の時点で進路予想を発表しています。傾向は気象庁と大きく変わらず、日本列島に向かって北上する予想です。最大風速の予想をみると、日本に接近したときが最も強くなっています。

ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)

アメリカ海洋大気庁の予想データ “本州直撃”の予想データ多数

台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行います。数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報の結果をみると、まだブレ幅は大きいものの多くのデータが西日本から東日本への接近を示唆する予想データとなっています。

具体的に27日(火)9時時点のアンサンブル予想の結果一覧をみると、熱帯じょう乱が日本付近に存在するメンバーが多くなっています。

【画像で詳しく見る】台風10号は来週日本へ接近予想 27日(火)までの雨・風シミュレーション

ヨーロッパの予想モデル 多くのデータが日本への接近を示唆

ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル予報結果です。アメリカモデルと同じように多くのデータが西日本から東日本へと接近する可能性を示唆しています。

27日(火)午後の時点で日本付近に熱帯じょう乱を示すメンバーも多くなっています。

【画像で詳しく見る】台風10号は来週日本へ接近予想 27日(火)までの雨・風シミュレーション

気象庁の進路予想やアメリカ・ヨーロッパなど海外モデルの予想をみると、まだブレ幅は大きな段階ですが、来週に台風10号が日本付近へと接近する可能性をいずれも示唆しています。何かしら影響を受ける可能性がありますので、今後の台風情報にご留意ください。

※正式な台風に関する予報については気象庁が発表する情報を確認してください。

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