今年は夜間の豪雨や落雷が急増。一体なぜなのでしょうか?

■なぜ多い? 夜のゲリラ豪雨

ホラン千秋キャスター:
昔の「夕立」は、ただザーッと雨が降るくらいだったと思いますが、今では大変な大嵐ですよね。

気象予報士 國本未華さん:
最近は短い時間ではなくて、夜間の間に繰り返し積乱雲が発生して、雨が降ることが多い印象があります。

井上貴博キャスター:
ゲリラ豪雨のメカニズムは、基本的には「地上の気温」と「上空の気温」の気温差が非常に大きなポイントになります。

8月20日の東京の場合、地上の気温は、最高で34.7℃でした。一方、上空の気温(5000m付近)は、-6.5℃でした。気温差は40℃以上となります。

これくらい温度差が出てくると、関東各地で積乱雲が発生し、ゲリラ豪雨になりやすいそうです。

気象予報士 國本未華さん:
21日は、この温度差は若干縮まっています。

ただ、海の温度が高い、風がぶつかるなどの影響で、局地的な雨雲が発生しやすい状況が続いています。

井上キャスター:
上空の気温が下がっているのは、季節が少し進むサインなんでしょうか。

気象予報士 國本未華さん:
そうともとれますが、これに関しては、一過性の上空の寒気が一時的に流れ込んだときの状態です。上空の寒気は抜けつつあるので、一旦去っていきます。

井上キャスター:
秋とは全く関係ないんですね。

■21日夜 北から南の流れに注目

井上キャスター:
では、夜間になぜゲリラ豪雨が多いのでしょうか。ポイントは気温になります。

8月1日から20日の午後9時の東京の気温は、28℃前後で、30℃を超えている日もありました。低くても24℃くらいでしょうか。

平年値と比べると、今年は夜の気温が下がらなかったということです。

気象予報士 國本未華さん:
下がった日は、むしろ夜間に雷雨があって下がったような状況でもあるので、基本的に気温が高い状態が続いています。

さらに、寒気が入ってくると、温度差で不安定になって、すごく背の高い積乱雲ができるということになるんです。

21日夜も可能性があります。バラバラと雨雲が北から南に流れていくようなイメージです。

1回、突発的に降ってやんでも、もう1回北から来たものがかかってくることが繰り返し起きそうです。

北から南に流れていくので、北の空に注目しながら空を見ながら過ごしてほしい思います。活発な雨雲を通ると、雷が鳴って停電なども起こるリスクがあるということです。

降るところではザーッと降り、降らないところも結構あり、局地性が高いです。

■落雷数 すでに例年の倍に

井上キャスター:
落雷が増えると、停電の件数も今年増えています。

【7月・8月の落雷数】
・平均 約4万3842回
・今年(8月19日まで) 8万7651回
※日本気象株式会社より

7月と8月の落雷数は、平均は約4万回で、今年はすでに倍近くになってきています。

東京電力によると、停電に関して、19日は約4万軒、20日は約7500軒発生したそうです。

停電での注意点についてです。

【暑さ対策】
エアコンなど使えなくなるので、ペットボトルの水を凍らせておくことは大変有効です。

【冷蔵庫】
食材がダメになる可能性があるので、開閉を減らすのはもちろん、冷気漏れを防ぐ必要があります。冷凍庫に保冷剤などを多く凍らせておくと、停電時に冷蔵庫に持っていくとクーラーボックスのような形で、冷蔵庫を使い続けることができると言われています。

【マンションなど】
自動ドア・エレベーター・立体駐車場が動かなくなる可能性もあります。

■懐中電灯+ペットボトルでランタン代わりに 停電時の対策

井上キャスター:
夜の停電時に、懐中電灯で簡易照明ができます。

警視庁警備部災害対策課のXでは、懐中電灯の上に、水を入れたペットボトルを置くと、ランタン代わりになることが紹介されています。懐中電灯が小さければコップに入れることも推奨されています。

光が乱反射するので、ただ懐中電灯をつけるよりも、広いところを明るくすることができます。

ペットボトルがなければ、レジ袋で代用することができます。懐中電灯をくるむように、レジ袋を置くと、少し広い範囲に光をとることができます。

■「冷たい風がヒヤッと吹いたら雷雨の前兆」 22日は午前中から注意

気象予報士 國本未華さん:
22日も雷雨がありそうです。予想では、午前中から雷が鳴るというのもポイントです。

普段の落雷の時間帯は、夕方から夜がメインですが、22日は午前中から昼過ぎ、さらに夕方くらいまで、落雷・突風などにもご注意ください。

オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈 代表:
秋になったら減るんですか?

気象予報士 國本未華さん:
そうです。秋は台風などに注意が必要ですが。察知するという意味では、冷たい風がヒヤッと吹いてくるのは、雷雨の前兆です。

井上キャスター:
最近はヒヤッと感じたら、すでに来てますよね。

今週は特に発雷リスクが高いと言われていますが、いつくらいまで頭に入れておけばいいですか。

気象予報士 國本未華さん:
まさに毎日です。しかも来週は、熱帯低気圧が台風になる見込みで、近づいてくるおそれがあります。そうすると、落雷の可能性が高くなります。

西に進むと関東がより不安定になり、西日本は大雨になるということが、来週前半あたりにありそうです。

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<プロフィール>
秋元里奈 さん
オンライン直売所「食べチョク」代表、33歳、神奈川の農家に生まれる。

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