厳しい暑さと強い日差しは要注意です。 “お肌” の日焼け止めをしている人は多いですが、なおざりにされているのが “目”の日焼け。特に子供のころ日焼けは将来の目の病気にもつながりかねないというのです。

厳しい暑さと日差しが強くなるこの時期。紫外線から「肌」を守るため、帽子をかぶったり日傘をさしたり、日焼け止めを塗るなどして、多くの人が対策をとっています。

しかし、「目」の日焼け対策はというと…。

3人の子を持つ母親:「目の日焼けは、初めて聞きました」
2人の子を持つ父親:「次男がサッカーしてて、目が赤いですね」

サッカーをしているというこちらの男の子。よく見ると、この日も目が充血していました。

金沢医科大・佐々木洋教授:「目の紫外線対策をしないで何時間も外にいると目が赤くなるんです。それは『目の日焼け』です」

写真:日焼けによる結膜充血

金沢医科大・佐々木洋教授:「しかし、翌日ひと晩寝ると治ってしまいます。日焼けとしては残らないので、それを頻繁に繰り返していると、将来、いろいろな慢性的な紫外線による目の病気が出てくるんです

佐々木教授は、目の病気には、子どもの時にあびた紫外線の量が影響するとして、特に子どもの目の日焼けに注意が必要だといいます。

目も紫外線対策をしないと大変なことに…

目が日焼けすると、どんな病気になるのでしょうか。

紫外線が角膜や結膜に吸収されて、そこで炎症を起こすと目が充血します。そのほか紫外線による目の病気には、白目の一部が黒目の中に伸びてくるような翼状片や黒目の両脇にシミができる瞼裂斑などがあります。瞼裂斑については小学1年生から発症する子どもがいるそうです。

写真:翼状片

金沢医科大・佐々木洋教授:「紫外線は蓄積していきます。なので子どものときに紫外線を浴びてしまうと、大人になってからいくら対策をしてもいろんな病気の発症リスクは高いままです。紫外線による日焼けを繰り返すと早く病気を発症すると考えてもよいと思います」

熱中症になると白内障のリスクが4倍にも…

猛暑が続く夏。紫外線だけでなく、“赤外線”対策も怠ってはいけません。佐々木教授によりますと、熱帯地方に住んでいる人たちは、日本に住む人たちと比べると白内障になるのが10年から15年早くなるということが分かってきたといいます。

白内障とは加齢とともに眼内の水晶体の濁りにより目の奥に光が届きにくくなり視力も低下していく眼の病気です。

金沢医科大・佐々木洋教授:「暑いところにいると、目の中の温度が上がり、水晶体が熱によって変性して濁ってしまい、白内障を発症しやすくなるのです」

写真:皮質白内障

「熱中症になると白内障のリスクが4倍になる」という最新研究結果もあります。

金沢医科大・佐々木洋教授:「今の季節はできるだけ涼しいところにいるようにした方が良いと思います

子どもたちの目を日焼けから守るには?

日差しや暑さから目を守るには、特に子供たちの場合、30分以上外出するときは『帽子』や『サングラス』『紫外線カットのコンタクトレンズ』などによる目の日焼け対策をする必要があると佐々木教授は訴えます。しかし、現実は「サングラスをしていたら悪そうだから」などの理由で、サングラスをかけないという子どもが少なくありませんでした。

金沢医科大・佐々木洋教授:「子どもはやっぱりサングラスはかけづらいと思うんです。ただ必ずしも色がついていなくてもいい。眼鏡もいまほとんど紫外線カットになっていますから、長時間外に出るときはかけた方が良いと思います。帽子だけでも紫外線を半分くらいはカットしてくれますから…」

また、赤外線対策としては、熱中症対策と同じで外にいるときは日傘をさす、帽子をかぶる、赤外線をカットするサングラスをかけることなどが有効だということです。

金沢医科大・佐々木洋教授:「日焼けによる目の病気といっても、子どもたちにとってはずっと先の話なので、なかなか実感できません。だからこそ、大人がしっかり指導する。学校での指導も含めて、それがすごく大事だと思います」

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