東京電力福島第1原発2号機で、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の採取を22日に始めるのを前に、日本原子力研究開発機構は20日、デブリを受け入れ、成分などを分析する施設(茨城県大洗町)を報道機関に公開した。

デブリを容器から取り出すロボットアームの実演。アームの先端はピンセットのようになっている=20日、茨城県大洗町で(山下葉月撮影)

◆職員がロボットアームを遠隔操作

 機構や東電は分析結果から1〜3号機の炉内状況を把握し、本格的な取り出しに結び付けたい考え。だが、取り出しが計画より3年遅れている上、計880トンのデブリに対し、採取分析を予定するのは小石状のわずか3グラム以下にすぎず、見通しは厳しい。  東電は約2週間かけて回収し、施設に運び込む。機構によると、デブリは少量でも成分や構造、酸化状態を分析することで、溶融温度や冷却速度など事故後の状況を示すデータを得られる。その上でデブリが生成された過程や、炉内の様子を推定できるとしている。  20日の公開では、職員がロボットアームを遠隔操作し、採取したデブリを入れた容器を開け、分析のために取り出す作業を実演した。(山下葉月) 

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