おととし岡山市で、虐待を受け6歳の女の子が死亡した事件で、交際相手の男と共謀し虐待を行ったとして、逮捕監禁致死などの罪に問われている母親の裁判員裁判が岡山地裁で始まりました。
母親は「子どもを守れなかったのは事実だが一緒に虐待はしていない」と起訴内容を一部否認しました。
逮捕監禁致死と強要の罪に問われているのは岡山市北区の無職、西田彩被告(36)です。
起訴状などによりますと西田被告は2021年9月、交際していた男と共謀し、当時5歳だった娘の真愛ちゃんに対しイスの上に置いた鍋の中に長時間立たせる虐待をくり返し行い、また布団を全身に巻きつけて押入れに放置して、低酸素脳症で翌年1月に死亡させた罪などに問われています。
真愛ちゃん(死亡当時6)暴行などの虐待を行った交際相手の男は、昨年懲役14年の実刑判決を受けています。
争点は「西田被告が虐待を行った交際相手と共謀し犯行に関与したか」
きょう(20日)の初公判で西田被告は、「交際相手の男から真愛を守れなかったのは事実。ただ、自ら率先し一緒に虐待はしていない」と起訴内容を一部否認しました。
これにより裁判は、『西田被告が、虐待を行った交際相手と共謀し犯行に関与したか』が争点となりました。
今回の裁判の争点となるのは「共謀共同正犯」が成立するか、しないかです。
「共謀共同正犯」の成立要件は、犯罪を共同遂行する意思があること、共謀の事実があること、共謀に基づいた実行行為があることとされています。
今回の裁判は、西田被告の「共謀共同正犯」が成立するかもしくは「ほう助」にとどまるかです。
冒頭陳述で検察側は、「娘に言うことを聞かせるため交際相手の虐待を制止しなかった。娘の救出も可能かつ容易だった」とし、「共謀共同正犯」が成立するとしています。
一方、弁護側は、「交際相手による身体的・精神的なDVで異常な精神状態だった。虐待を止めることができず犯行を容易にさせた点では『ほう助』に留まる」と主張しています。
裁判はあす(21日)以降も行われ、今月29日に結審する予定です。
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