大分市で去年8月、妊娠中の妻と9歳の息子を殺害した罪に問われている男の裁判員裁判は23日に結審し、検察は男に無期懲役を求刑しました。

殺人の罪に問われているのは、大分市羽田の無職、首藤伸哉被告(67)です。起訴状によりますと、首藤被告は去年8月8日から9日にかけて、自宅で妻の李東娜さん(38)と息子の首藤佑馬さん(9)の胸などをペティナイフで突き刺して殺害した罪に問われています。

事件現場

23日の論告求刑公判で検察は「被告は1年以上も前からナイフを購入し、定期的に切れ味を確認するなど計画的で根深い殺意を持っていた」と指摘。その上で、「動機は極めて身勝手で、冷酷非道な犯行。同情の余地は微塵もない」として首藤被告に対し、無期懲役を求刑しました。

これまでの裁判で検察側は、2023年3月に妻が妊娠していて、事件当日に再び口論となり、妻が「子どもをおろす」「もう家を燃やす」などと言って、点火棒ライターで仏壇に火をつける仕草を見て、被告は怒りが頂点に達し、犯行に及んだと動機を指摘しています。

一方、弁護側は「精神的に追い詰められた末の突発的、衝動的な犯行。反省を深めており有期刑が相当」と主張しました。

判決は4月26日に言い渡されます。

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