幻想的な灯ろう流しで知られる鮭川村の庭月観音で昨夜、先祖供養が行われました。

今年は、大雨被害の影響で灯ろう流しは中止され、復興も願い、例年とは別の形で、行事が行われました。

鮭川村の庭月観音は、最上三十三観音の打ち止めの寺として知られ、およそ600年以上の歴史があります。

そこで、毎年8月18日行われるのが、送り盆の行事「灯ろう流し」です。

清流・鮭川に1000体を超える灯ろうが流され先祖の霊を慰めます。

しかし今年は…。

先月25日、大雨の影響で寺のすぐ側を流れる川が溢れ、寺一帯が人の腰が浸かるほどの泥水に覆われました。

水が引いた後、県の内外から訪れたボランティアが寺の片づけを行い、なんとか送り盆の日を迎えましたが、まだ復旧し終えていない鮭川に、灯ろうを流すのは中止にせざるを得ませんでした。

その代わりに今年行われたのが灯ろうを境内に灯す万灯供養会です。

きのうは地域の人を中心に、およそ750体の灯ろうが準備され、境内に並べられました。

例年と違う形での供養となりましたが参拝者はそれぞれの思いを胸に境内を訪れていました。

鮭川村から「(水害は)自分の所は大丈夫だったが周りがすごいことになって、こうして自分が居るのも先祖様のおかげなんだなと」

山形市から祈願に訪れたこちらの女性もボランティアで寺の清掃を行っていました。

山形市から「すごくきれいになってまた多くの方が訪れているというのはものすごく感動しました。みんなで数日のお手伝いだったが少し力になれたかなと思った」

大きな水害に見舞われたなか開催できたことに住職は。

庭月観音 庭崎賢恵 住職「大きな水害だったが復興に向かってたくさんの方々のご支援をうけて送り盆の行事をすることができたことが一番ありがたく思う」

水害からおよそ1か月。形は変わりましたが、大切な人を思う気持ちは変わらず、復興への願いも込めて、あかりが灯されていました。

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