7月、横浜市の百貨店で「土用の丑の日」に販売されたうなぎで集団食中毒が発生。弁当を食べた150人以上が下痢や嘔吐などの体調不良を訴え、このうち1人が死亡しました。

きのう(18日)は音楽イベント「サマーソニック」が開かれていた千葉市の「幕張メッセ」で、弁当を食べた30人以上のイベントスタッフが吐き気を訴えるなど食中毒のような症状を訴え病院に運ばれています。(TBSテレビのニュースより)

連日猛暑日が続く熊本県内でも、7月25日から食中毒警報が発令されていて、引き続き衛生管理に注意が必要です。

熊本県内での今年の食中毒発生件数は8件114人と、既に去年の5件51人を上回っています。(※8月16日時点)

では食中毒を未然に防ぐため、家庭でできる対策は何なのか。去年7月に配信した記事を再公開します。(一部初出:2023年7月31日)

“食中毒予防”の『3原則』とは?

暑い時期、熱中症に加えて気を付けるべきなのが『食中毒』。

熊本県は「食中毒注意報・警報」を発令し注意喚起をしています。では、そもそもどういう条件で警報は出るのでしょうか。

最も警戒を呼びかける食中毒警報は「週間予報で7日間連続して最高気温が35℃以上」が発令の主な条件になっています。つまり、気温の高い日が続くと細菌が増殖しやすいということ。

では衛生管理に詳しい笹岡さんに、食中毒の予防法を伺いました。

熊本県健康危機管理課 笹岡奈々さん「1番増殖の早い菌で2時間後には食中毒を起こす菌量まで増殖するので、作った料理はすぐ食べてください」

また、弁当の場合は十分に冷まし、抗菌シートを用いることも効果的です。

笹岡さん食中毒菌をつけない、増やさない、やっつける。この三つをきちんと守れば、重大な事故は起きないと思いますので実践してもらえれば」

素手でおにぎり…菌の増殖はどうなる?

そして、食中毒対策で重要なのが「素手で触らない」ことです。

おにぎりを作る際、付着する菌の数を調査したデータがあります。

「水で手を5秒洗って素手で握る」「せっけんで洗い、素手で握る」「せっけんで洗い、ラップで握る」という三つの条件で比較されたものですが、結果は一目瞭然。

ラップで握れば、おにぎり1グラムあたりの黄色ブドウ球菌は10時間後も「0個」のままでした。

一方、「せっけんで洗い、素手で握る」場合は直後が「100個」だったのに対し、10時間後には「1.6万個」に増加。

また、「流水で5秒洗って素手で握った」場合は直後が「200個」だったのに対し10時間後には「110万個」に激増しました。

「素手で触る」と食中毒のリスクが高まることがよくわかります。

また素手で触らないことに加え、ご飯を詰めるケースをあらかじめ冷凍庫に入れて冷やしておくことで、ケース自体が保冷剤代わりになる商品などを活用してもいいかもしれません。

「料理を作るとき」「保管するとき」のそれぞれで対策を取ったうえで、もし見た目やにおいに異変を感じたら「食べない」ことも重要です。
※ただし食中毒は、見た目やにおいに変化がない場合も多いため注意が必要です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。