夫以外の第三者から提供を受けた精子で人工授精する不妊治療(AID)で、元厚生労働相の坂口力氏(90)が17日までに共同通信のインタビューに応じ、三重県立大(現・三重大)の医学部生だった1950年代に「一度精子提供した。『ほとんど(妊娠に)成功しないから』と産婦人科から頼まれた」と当時の経緯を証言した。実名での提供証言は極めて珍しく、専門家は「国内では初めてではないか」としている。  AIDを巡っては、実施を公表している慶応大病院以外に少なくとも7大学病院が過去に実施していたことが共同通信の取材で判明しており、三重県立大はこのうちの一つ。AID実施について三重大病院は取材に「回答を差し控える」としている。  坂口氏は同大医学部在学時に担当科に依頼され、AIDのために一度精子提供したと証言。「当時謝礼として2千円を提示されたが、受け取らなかった」という。  担当科はほかの学生にも募集。問題にならないか学生側が問うと「めったに成功することはない」として「成功したときのみ報告する」と告げられた。


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