9月1日に東京都墨田区の横網町公園で営まれる、関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典で、小池百合子都知事は今年も追悼文を送付しないことが、都への取材で分かった。小池知事が送らないのは、就任2年目の2017年から8年連続となる。

東京都戦没者追悼式に臨む小池知事=15日、東京都文京区で(川上智世撮影)

 公園を管理する都公園緑地部によると、送付しないことを14日、式典を主催する実行委員会にファクスで伝えた。送らない理由として、式典と同日に同じ会場で開かれる都慰霊協会の大法要で「大震災の極度の混乱の中で犠牲になられたすべての方々に哀悼の意を表す」とする、小池知事の考えを挙げたという。  式典には歴代知事が追悼文を送ってきた。今月1日、追悼文の送付を都に要請した式典実行委は今後、都に抗議文を送る方針。  実行委の宮川泰彦委員長は取材に「大法要を理由にしているが、追悼式典に追悼文を送るのは二度手間ということなのか。震災全体の犠牲者ではなく、人の手によって虐殺された朝鮮人らの存在に明確に言及した上で、追悼の意を示してほしい」と話した。(原田遼) 

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