運動不足を解消しようと、はりきって運動をして辛い筋肉痛に悩まされたという人も多いのでは?運動と切っても切り離せない「筋肉痛」はどうして起こるのか、筋肉痛が出るスピードは年齢に関係あるのか。整形外科医に聞いてみた。

現在20代後半の筆者は先日、友人たちとともに運動不足を解消しようと数年ぶりにバドミントンをした。

筆者含め全員がバドミントン経験者だったこともあり、数年ぶりにも関わらず現役時代の感覚そのままでプレー。

案の定、全員がつらい筋肉痛に襲われ、こんな会話をした。

友人A「運動の翌日に筋肉痛になったから、私はまだ若いかな?」
友人B「年を取ったせいか、2日後にきたよ…」
筆者「わたしたち、もうアラサーだもんね…」

よく耳にする会話だ。
しかし、筆者は思った…。

“本当に筋肉痛と年齢に関係はあるのだろうか”

整形外科医に聞いてみることにした。

そもそも “筋肉痛” はなぜ起こる?

筆者:「そもそも筋肉痛はなぜ起こるのでしょうか」

長田整形外科クリニック・長田茂樹医師:「現代医学でも、筋肉痛が起こるメカニズムについては、まだ完全に解明されていませんが、筋肉痛は、『筋肉の耐久力を超えた運動』をすることに起因して発生します。負荷の大きな運動や長時間の運動、もしくはその両方を行って筋肉が耐えられるレベルを超えると痛みが生じます」

長田医師によると、以前まで筋肉痛の原因は、乳酸などの疲労物質がたまることだと言われてきたとのことだが。

長田整形外科クリニック・長田茂樹医師:「普段使わない筋肉を使ったり、負荷の大きい運動をしたりすると筋線維(筋肉を構成する細胞)に小さな傷がついて、それを修復する過程で炎症反応が起こり、これに伴い痛みを引き起こす物質が分泌され筋肉痛が生じるという説が近年では主流になってきています」

“筋肉痛”の起こるスピードと加齢との関係は?

筆者:「年齢によって筋肉痛が起こるスピードは変わるのでしょうか」

長田整形外科クリニック・長田茂樹医師:「医学的には加齢によって筋肉痛が起こるスピードが遅くなるとは明言されていません。そういった話をよく耳にするのは、単に加齢というよりは体を動かす頻度が減ったり、若いときよりも激しい運動を行う機会が少なくなったりすることが理由ではないかとされています。筋繊維は使わないと細くなり、ちょっとした負荷でも損傷しやすくなります。若い人でも日頃の運動習慣がない場合には筋肉痛が遅れて生じる可能性があります」

運動によって生じる筋肉の損傷は、若年成人に比べて高齢者のほうが筋肉の損傷の程度が大きく、回復にも時間がかかるという研究報告や、損傷の程度には親から子へ受け継がれる “遺伝的素因” が関係しているとの報告もあるという。

長田整形外科クリニック・長田茂樹医師:「久しぶりにスクワットをすると太もものあたりが筋肉痛になりますが、1週間に1回程度のペースでかつ同じ強度で繰り返し継続していると筋肉痛は起こらなくなります」

筋肉痛を起こりにくくするには?

筆者:「では、筋肉痛が起こりにくい、ひどくならないために身近にできることはありますか」

長田整形外科クリニック・長田茂樹医師:「筋肉痛が起こりにくい体を作るためには、以下のことが効果的です」

適切な負荷:初心者はいきなり激しい運動をするのではなく、徐々に負荷を上げていくことが大切。
ウォーミングアップ:運動前に必ずしっかりと体を温めることで、筋肉の柔軟性を高め、損傷を防ぐ。
クールダウン:運動後にストレッチを行うことで、筋肉の緊張を解きほぐし、回復を促す。
バランスの取れた食事:タンパク質を十分に摂取することで、筋肉の修復をサポート。
十分な睡眠:睡眠中に成長ホルモンが分泌され、筋肉の修復が促進。

つらい筋肉痛を起こさないためだけではなく、健康な身体づくりのためにも、日頃から適度に運動する習慣をつけることが大切だ。

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