15日、福島県富岡町で、400年以上の伝統を誇る「麓山(はやま)の火祭り」が行われました。震災と原発事故、そしてコロナ禍で度重なる中断を経て復活した祭りで、地域の復興を願う火が灯りました。
「センドー センドー」
炎が燃え盛る松明をかつぐ男たち。「多くのともしび」を意味する「千灯(せんどう)」の掛け声とともに、山道を駆け上がります。
15日に富岡町で行われた麓山の火祭りは、400年以上続く伝統行事です。しかし、震災と原発事故で7年間の中断。一度は復活したもののコロナの影響で再び中止を余儀なくされます。去年ようやく4年ぶりに復活を遂げ、今年は、去年よりも5本多い30本の松明に火が灯りました。
最も重いものでおよそ40キロの松明をかついだ男たちは、勢いよく神社を飛び出し、最大斜度30度の山道を一歩一歩登っていきます。そこには五穀豊穣、無病息災などの願いとともに、地域の復興への強い思いが込められていました。
暑さに耐え、頂上まで登り切ると、ふもとの神社に戻り、本殿の周りを33周。そして、祭りは幕を閉じました。
参加した人「去年より重くて、2回3回くらい挫折しそうだったんですけどなんとか登れた」
参加した人「すごく火祭りを好きで来てくれるので、今後も継続してやっていけたらと思う」
二度の中止を乗り越えて、復活した麓山の火祭り。伝統を守ろうと、険しい山道に挑んだ男たちは、ふるさと富岡町を活気づけます。
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