岸田総理が退陣を表明してから一夜、「ポスト岸田」候補とされる議員からは自民党総裁選に関する言及が相次ぎ、動きが活発になっています。

きょうの閣議冒頭。岸田総理は特に言葉を発することもなく、まっすぐ前を見つめていました。この閣議のあと、岸田総理は閣僚に対し、自民党総裁選に出馬しない考えを改めて示したうえで、次のように伝えたといいます。

林芳正 官房長官
「(総理から)『閣僚の中には総裁選に名乗りを上げることを考えている方もいると思う。気兼ねなく、閣僚としての職務に支障のない範囲で、堂々と論戦を行ってほしい』と発言があったところであります」

岸田総理から「ポスト岸田」候補に動き始めても良いとGOサインを出した格好ですが、当の閣僚たちの対応は割れました。

河野太郎 デジタル大臣
「デジタルやワクチン、今の日本が抱えている大きな課題をこれまで担当してまいりました。いつかこの経験を活かせる日が来ればという風に思っております」

河野デジタル大臣が出馬に意欲を見せる一方で…

高市早苗 経済安保担当大臣
「ここは内閣府の大臣記者会見の場でございますし、本当に最後の1日までの総理からご下命のあった課題がありますので、そこはもう一生懸命取り組んでまいります」

高市経済安全保障担当大臣は慎重な姿勢を崩しませんでした。

また、自民党内からは、安定感のある林官房長官に対して総裁選に出てもらいたいという声も出ていますが、自身の対応については言及を避けました。

きょうは同じく「ポスト岸田」候補である小泉進次郎元環境大臣や、小林鷹之前経済安保担当大臣が靖国神社を参拝しました。

小林鷹之 前経済安保担当大臣
「私自身としても党改革を後退させることがないように、一人一人が頑張っていかなければいけない」

一方、小泉氏は、岸田総理の今回の決断についてJNNの取材に、「『岸田総理、お疲れさまでした』の一言に尽きる」とコメント。意思を表明することは控えていますが、関係者によりますと、遅くとも6月には出馬に向けた戦略を練りはじめたということで、水面下での準備が続いています。

さらに、きのうは茂木幹事長が麻生副総裁と会談。茂木氏から総裁選出馬についての直接の言及はなかった一方で、麻生氏は、これまで政権運営の要であった「岸田・麻生・茂木」の3人で「引き続き連携していこう」と呼びかけたということです。

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