2024年8月8日の日向灘を震源とする地震を受け、気象庁は南海トラフ巨大地震への注意を促す臨時情報を出しました。
初めての経験だけに私たちは不安な日々を送っていますが、呼びかけられている「日頃からの備え」とは何なのか。一緒に考えます。

<来場者>
「すっごく揺れて、震度5弱辺りからどんどん揺れが強くなって怖かったです」

臨時情報が発表されるなか、多くの家族連れの姿があったのは静岡県の地震防災センターです。地震が起こるメカニズムや地震に対する備えについて学ぶことができます。

<横浜からの来場者>
「毎日地震のニュースが流れてて、実際起きたとき自分が何ができるかなと思って(来た)」

気象庁の発表した臨時情報の「巨大地震注意」は平常時より巨大地震の起きる可能性が高まっていると伝えていますが、国は「地震予知の情報ではない」と強調します。

<地震調査委員会 平田直委員長>
「いつ巨大地震が起こるかを申し上げることはできないので、これまで通り、十分に地震が起きた時への備えを確認していただきたい」

8月15日までの1週間を目安に地震への警戒レベルを上げ、備えの再確認が呼びかけられています。

<県地震防災センター 渡辺岳史さん>
Q.どうして一週間なのか?
「他の地震を誘発する可能性が高くなる日にちが、7日間ぐらいまで若干高くなるという統計数字が取れているので、それをもとに気象庁が定めております」

必要な備えは多岐にわたります。

飲み水は1人分だけで1日3リットル、非常食などの食料や簡易トイレ、持病がある人は薬などの備蓄も必要です。

また、「まずは生き延びる」という意味では家具の固定も備えの一つです。

<県地震防災センター 渡辺岳史さん>
「焦る必要はございませんので、手に入る時に速やかに、点検していただくという形でお願いします」

年齢や家族構成に合わせた対策も大切です。赤ちゃんがいる家庭に静岡市の助産院がすすめるのは「赤ちゃん用防災バッグ」です。

<くさの助産院助産師 草野恵子さん>
「このさらしは、おむつにも使えるし、三角巾にも使えるし、赤ちゃんを抱いたりおぶったりにも使える」

「さらし」は替えのおむつや防寒着などさまざまな用途で活用できます。
ミルクを作っても哺乳瓶を洗うための水がないときに役立つのが紙コップ。衛生面でも安心です。

一方で、臨時情報の発表で水をはじめ、防災関連の商品が品薄になる様子もみられました。

<篠原大和記者>
「身近なものを使って作れるトイレが、こちらの段ボールトイレです。体重80キロの私が座っても潰れない丈夫なつくりです」

必ず必要になるトイレ。家庭にある段ボール箱で簡単に作れます。

(1)2つの段ボール箱を重ねたあと、カッターやハサミで四角、もしくは楕円形の穴を開けていきます。
(2)箱とは別に用意した段ボールを丸めて…支柱を作り、四隅や側面にはめ込むと丈夫になります。
(3)トイレの保護用と使用後の交換用に2枚のビニール袋をかぶせます。

<藤枝災害支援ネットワーク 吉田令子代表>
「用を足すときに水分を吸収することが大切。私たちはペット用のシートをおすすめしています。比較的安くて、身近で買える。吸収力もあり臭いも軽減する」

県地震防災センターで聞いた、特に用意してほしいものはこちらです。一番重要なのは、家族間で集合場所や連絡方法を確認しておくこと。
次に備蓄ですが、1人あたり1日で必要なものは水だけで7リットル。内訳は飲料用3リットルと、トイレを流したり手を洗ったりするのに使う水4リットルです。その他にも、非常食などの食料3食、簡易トイレ5回分、持病の薬などが挙げられます。

発災してから物資が届くまでに7日かかると予想されているのでその分、量は増えますし、家族構成によっては必要なものは変わってきます。
防災に対する意識を持ち、それぞれの状況に合わせた地震への備えが大切です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。