記者会見する原田浩二・京大准教授=11日、大阪市で(森本智之撮影)
◆「想定よりかなり高い数値」の人も
主な排出元は同製作所とみられるが、離れた地域でも健康リスクが懸念されるような高い数値の人もいた。11日、大阪市内で会見した京大の原田浩二准教授は「想定よりもかなり高い数値が出た。PFASは幅広く利用されているため発生源が分かっていないケースは多く、検査すれば全国どこでも高濃度が検出される可能性はある」と述べ、全国的な調査や日本での基準値策定の必要性を説いた。 ダイキン淀川製作所は1960年代後半からPFASの一種、PFOAの取り扱いを始めたが、2012年には同製作所を含む全ての国内工場で製造・使用を中止していた。ダイキンの広報担当者は検査結果について「当社が実施したものではなく、分析方法や精度などの実施内容の詳細を把握していないことからコメントは控える」とした。ダイキン工業淀川製作所(森本智之撮影)
血液検査はPFOAやPFOSなど代表的な4種類を調べた。この4種を含む7種類の合計値で、米国で設定されている1ミリリットル当たりの指針値(20ナノグラム=ナノは10億分の1)と比較した。◆ダイキンが取り扱っていないPFOSも検出
指針値超えは製作所のある府北部で多かったが、南部でも計測された。PFOAが高く出る人が多かったが、ダイキンが取り扱っていないPFOSも検出されていた。原田氏は「幅はあるが想定より広く健康リスクが懸念される結果になった」と述べた。 全員の平均値は17.7ナノグラム。米軍基地に近い東京・多摩地域の井戸で検出されたPFAS濃度と同レベル高水準だった。数値が最も高かったのは兵庫県内に住む同製作所の元従業員で約610ナノグラムだった。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。