3年前、福岡県宗像市の東海大福岡高校で2年生の男子生徒がいじめ被害を訴える遺書を残して自殺した問題です。亡くなった生徒の母親が21日会見を開き、自殺の原因を明らかにしてほしいと訴えました。


◆「心優しい子だった」母が会見


亡くなった侑大さんの母親
「侑大が亡くなったあと、遺書を手がかりに警察に捜査をお願いしました。侑大が先輩たちからとてもひどい性被害を受けていたことがその時初めて分かりました。大切な侑大がこんなひどい目に遭っていたことを知り愕然としました」


◆第三者委 わいせつ行為を含むいじめ10件認定


学校などによりますと2021年3月、東海大福岡高校の当時2年生だった侑大さんは、剣道部内でのいじめや、男性顧問への不満などを記した遺書を残して自殺しました。20日学校側は会見を開き、第三者委員会による調査の結果、上級生から粘着テープで体を畳に固定され、強制的にわいせつな行為をされたうえ、その様子を撮影した動画をSNSで拡散されるなど、10件のいじめが確認されたと明らかにしました。


◆加害者の上級生は家裁送致に


加害者側の上級生1人は、強制わいせつの非行内容で家裁送致され、2年間の保護観察処分となっています。


◆第三者委「直接的原因は特定できず」


ただ、第三者委員会は、「いじめが自殺の一因になった」とした一方、「自殺の直接的な原因については特定できなかった」としています。


◆息子の死 「原因を明らかにしてほしい」


亡くなった侑大さんの母親は、「侑大が抱えていた苦しみや辛さ悔しさ、正面から目を向けてくれなかったと残念に感じています。侑大が死を選ばざるを得なかった原因について明らかにしていただきたいと思っています」と訴えました。


◆福岡県に再調査求める


遺族の代理人弁護士は、いじめ行為が侑大さんに与えた心理的影響や学校の対応について調査が不十分だとして、福岡県に対して早期に再調査を実施するよう求めています。「真の原因と対策を追求してより具体的な対策を取らないと生徒が自死していく現状を止められない。学校側は再調査委員会を踏まえてもう1度防止策を検討してほしい」と話し、再発防止のためにはなぜ自殺に至ったのか原因にについて踏み込んだ判断が必要だと訴えました。

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