8日に発生した日向灘を震源とする地震で、気象庁から初めて「南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意」が発表されました。

「南海トラフ」とは?

まず、南海トラフ地震について。「南海トラフ」とは、静岡の駿河湾から今回震源となった宮崎の日向灘にかけて、プレートの境界に沿って伸びる「海底のくぼ地」のことです。

南海トラフ沿いでは、約100年から150年の間隔で大規模な地震が起きています。前回の大規模な地震から既に80年程経っていて、南海トラフ地震は近い将来の発生が予想されています。

愛媛県の想定によりますと、発生すると県内では最大震度6強から7の激しい揺れに見舞われ、各地に3メートルから20メートルの津波も押し寄せ、最悪の場合、揺れや津波などによる死者は1万6000人を超え、全壊する建物は24万棟余りに上ります。

南海トラフ地震臨時情報とは

「南海トラフ地震」の臨時情報とは、南海トラフ沿いで地震発生の可能性が普段と比べ相対的に高まっていると評価された場合に気象庁から発表され、2019年に運用が始まりました。これは、南海トラフの想定震源域やその周辺でマグニチュード6.8以上の地震が発生するなどした場合、速やかに専門家による調査が始まり、2時間程度で評価します。

評価は3段階で「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」があります。「巨大地震警戒」は、備えの再確認に加え、人によっては事前避難が求められます。今回出された「巨大地震注意」では、備えの再確認などが呼びかけられます。3番目は「調査終了」。ただ、大規模地震の起きる可能性が無くなったわけではないので、そこに注意しながら通常の生活を送ります。

地震発生の可能性は

今回発表された「巨大地震注意」では、地震発生の可能性はどれほど高まったのか―。

気象庁によりますと、過去のデータを踏まえれば、マグニチュード8クラスの大規模地震の発生確率は、通常0.1%程度だということです。それが今回の地震で、1週間以内の発生確率は約0.5%に高まったということです。

巨大地震が1週間以内に発生する頻度は、「巨大地震注意」の場合、数百回に1回、「巨大地震警戒」では十数回に1回とされています。

そうした中、私たちはどのような備えをすればよいのか―。

まずは、家具の固定など住まいの安全対策。水や食料などご家庭での備蓄と非常時に持ち出すものもチェックをお願いします。そして、周辺の避難場所とルートの確認。沿岸部にお住まいだったり滞在したりしている場合は津波からの避難も考える必要があります。ポイントは「海からより遠く」より「より高い場所へ」です。また、家族との間でいざという時の連絡手段を確認しておくようにしましょう。

愛媛県は「備えは一定期間、続けてほしいが、冷静に日常生活を送ってほしい」と呼びかけています。

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