Q.運用開始以来、初めて南海トラフ地震臨時情報の巨大地震注意が発表されました。なぜ今回このような情報が出されたのでしょうか?


(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
今回の地震は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の端っこで発生したのですが、まず、場所がこの想定域の中で起こったということ、そして、速報値でマグニチュード7.1となっていますが、マグニチュード6.8以上の地震であれば、この情報が出ることになります。
これは自動的に出るものなので、今回はこの条件が2つ重なって出たということになります。


Q.まずは調査中というものが出ましたよね?

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
まず、1回目の発表では、「調査中」が必ず1回でます。その後、「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」のいずれかが発表されるという仕組みになっていて、今回は「大地震注意」に該当するということになりました。

Q.「巨大地震注意」というのは、どういう状況なんでしょうか?

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
中途半端な情報ですね、難しいんですけれども、普段よりは巨大地震がちょっとだけですけども発生する可能性が高まってますよということをお知らせする情報になります。


Q.「普段よりも高まっている」というのは、いつまで、どの程度なのかということで、難しいですね?

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
これもなかなかわかりづらい話なのですが、これは、全世界の地震を統計的に調べ上げて、マグニチュード7程度の地震が発生した後、1週間以内に巨大地震が発生したというのが数百回に1回、過去にあったというのが、「巨大地震注意」ということです。
これが「巨大地震警戒」であると、巨大地震の発生する割合が、十数回に1回ということになります。
平常時、何もない時だと、これが1000回に1回程度ですので、巨大地震が発生する確率が数倍程度に、今、上がっているというふうに解釈いただければ良いと思います。

Q.私たちは具体的にどのような行動をとったらいいのでしょうか?

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
端的に言うとですね、皆さんにお願いしたいのは、「普段の地震の備えというのを再確認してください」ということに尽きます。
家具の固定であったり、避難ルートの確認などいろいろありますが、普段、おそらく皆さんがやっていることだと思います。
地震に備えて、改めてこの機会に再確認していただく、それをやっていただければ、特別なことをする必要はないと思いいます。


Q.夏休みの時期に情報発表となりましたが、帰省や旅行を控えるとか、海水浴をやめるとか予定を変更した方がいいでしょうか?
また、迎え入れる側はどうしたらいいでしょうか?

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
1月の能登半島地震でも帰省してきた方が被災したケースもありますが、そういうときに、避難場所とか知らないということではなく、いざというときに避難できるように行く人も事前に調べておいていただきたいですし、また、受け入れる側の方もも事前に確認して誘導できるようにしておいていただきたいと思います。

今後1週間は、普段通りの生活を送りながら、避難場所の確認や家具の固定など地震に備えていくということですが、今回の地震をきっかけに防災意識も高めていきたいものです。

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