自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記入)罪に問われた清和政策研究会(安倍派)会計責任者の松本淳一郎被告(76)の論告求刑公判が9日、東京地裁(細谷泰暢裁判長)であり、検察側が禁錮3年を求刑して結審した。判決公判は9月30日。

東京地方裁判所

 検察側は論告で、安倍派ではパーティー券の販売ノルマ超過分を議員側に還流するなどしており、政治資金収支報告書に記載しなかった金額は5年間で収入、支出とも実際の4割近くに上ると指摘。「正確な収支と懸け離れた収支報告書では国民が政治活動の是非を判断できるはずもなく、極めて悪質。常習性は明らかで、国民の政治不信を招いた」と批判した。

◆弁護側「寛大な判決を」と主張

 弁護側は、記載方法は前任者から引き継いだもので「犯意は希薄。自己の利益を図ろうとしたのでなく、寛大な判決を」と求めた。  松本被告は最終意見陳述で「以前から続いていたこととはいえ、やめるべきだった。政治不信を招き、迷惑をかけた」と謝罪した。  起訴状などによると、2018~22年分の安倍派の収支報告書に、収入と支出を計約13億5000万円少なく記入したとしている。(井上真典) 

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