8日に気象庁が発表した「南海トラフ地震臨時情報」。この情報と同じように、マグニチュード7以上の地震が発生した際、より大きな地震への注意を促す情報として「北海道・三陸沖後発地震注意情報」があります。

青森テレビでは、災害への備えのためにも、3月11日に公開した「北海道・三陸沖後発地震注意情報」についての解説記事を今回、再公開致します。

起こりうる巨大地震被害の推計

東日本大震災からきょうで13年。被害を減らすためには早期避難の呼びかけが重要ですが、そのカギとなるのが「北海道・三陸沖後発地震注意情報」です。
番組MCの先川栄蔵さんと小野寺紀帆アナウンサ―が紹介します。

東日本大震災の教訓を踏まえ、国は最新の科学的知見に基づいた最大クラスの地震や津波を想定して、「日本海溝」「千島海溝」と呼ばれる、海のプレートと陸のプレートの境界付近の海底で今後起こりうる巨大地震の被害を推計しています。
そこで想定された震源域=巨大地震の発生が予想されるエリアが、岩手県から北海道襟裳岬にかけての「日本海溝モデル」と、襟裳岬から東側にかけての「千島海溝モデル」の2つです。
どちらも地震の規模はマグニチュード9以上と、東日本大震災を上回る規模の巨大地震を想定しています。

2海溝の範囲とマグニチュード

市町村別の最大震度と津波の高さは?

この地震が発生すると特に震源が青森県に近い日本海溝モデルの場合、県内では
八戸市や六ケ所村など県東部・太平洋側では最大で震度6強という、県内でこれまで経験したことのない非常に強い揺れに襲われる可能性があります。

日本海溝モデルの青森県内最大震度

市町村別の最大震度と津波の高さは?

この地震が発生すると特に震源が青森県に近い日本海溝モデルの場合、県内では
八戸市や六ケ所村など県東部・太平洋側では最大で震度6強という、県内でこれまで経験したことのない非常に強い揺れに襲われる可能性があります。

日本海溝モデルの青森県内最大震度

先川さん
「想定を見てみると太平洋側だけではなくて、県内全域でかなり揺れるってことなんですよね?」
小野寺アナ
「そうなんです。県内の40市町村すべてで震度5弱以上の強い揺れも予想されます。衝撃的ですよね」

津波の高さも東日本大震災を上回り、震源に近い太平洋沿岸で10mから20m程度の巨大な津波が予想され、なかでも八戸市には最大26.1mもの巨大津波が到達する
恐れがあります。

日本海溝モデルの青森県内沿岸津波高

先川さん
「津波も太平洋側だけじゃなくて海の近い地域は全部危険ってことなんだ」

小野寺アナ
「そこが大きなポイントで、日本海沿岸の深浦町で2.6m、陸奥湾内の青森市で5.4mなど、太平洋沿岸に限らず県内の沿岸全域が津波に襲われる可能性があるのも大変心配です」(※深浦町以外の市町村はいずれも3mごえ=大津波警報級)

死者のほぼ100%が津波で命を落とす推計も

また津波による死者数は、積雪などで避難が遅れる「冬の深夜」の場合、全国で約20万人。これは避難生活などで亡くなる「震災関連死」も含めた数字ではありますが、東日本大震災の約10倍という、とてつもない被害が想定されているんです。
県内で見てみますと、死者数は約4万1000人で、東北地方の中で最も多いことになります。また、死者のほぼ100%が津波で命を落とすと考えられます。

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による被害想定

早期避難を徹底すれば、死者数を激減できる試算も

一方、こうした巨大地震が起きた場合でも、津波からの早期避難を徹底すれば、
津波による死者数を約4分の1にまで減らすことが出来るという試算があります。

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による被害想定

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