きょう(8日)午後4時43分ごろに発生した日向灘を震源とする地震について、午後7時15分、気象庁は岡山・香川を含む南海トラフ地震防災対策推進地域を対象に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。
岡山・香川では、どのように備えたらよいのでしょうか。
以下は、2024年1月16日放送の記事再掲です。
能登半島地震の発生から2週間が過ぎたいま(16日)も、被災地では救助や支援活動が続いています。岡山・香川でも備えが問われるなか、シリーズでエリアの防災を考えます。
1回目は津波についてです。
南海トラフ地震 津波は「瀬戸内海」にも訪れる
地震発生直後、サイレンの音が響く街中。その約30分後には…
「津波来てるぞ!上、あがれ!」
津波が防波堤を乗り越える様子がカメラに収められていました。
「急いで上がって!」
元日に発生した能登半島地震。最大5.1メートルの高さまで浸水した痕跡が確認されるなど、石川県の3つの市や町で、合わせて約190ヘクタールに渡って津波による浸水が確認されたということです。
また津波が川を遡上するなど、沿岸部以外にも被害をもたらしました。
近い将来、必ず起きると言われる「南海トラフ地震」でも、岡山・香川にこの「津波」が押し寄せると話すのは、岡山大学で地震や津波を研究する松多信尚教授です。
(岡山大学 松多信尚教授)
「次に起きる南海トラフ地震は、少なくとも昭和の南海地震(マグニチュード8)よりは大きいものが起きるだろう。そう考えると、津波がやってくることは間違いないかなというふうに思うんです」
南海トラフ地震 最悪のケースで「岡山2866人・香川6200人死亡」
岡山・香川の発表によりますと、南海トラフを震源とする地震が発生した場合、3メートルを超える津波が沿岸部に押し寄せると想定されています。
最悪のケースでは、両県で合わせて約9000人(岡山県2866人・香川県6200人)が津波で命を落とすという予測もある中、松多教授は「命を守るため確認して欲しい指標がある」といいます。それは「第一波到達時間」です。
その日に備えて人間関係・仕組み作りを!
(岡山大学 松多信尚教授)
「能登半島地震のときも地震が起きて、1分後、2分後に津波がやってきました。ただ幸いにして、岡山・香川には1時間以上ぐらい時間があるわけですよ」
こちらは、M9クラスの南海トラフ地震を想定した津波の到達予測。波はすぐに東海地方などに到達しますが、30分を過ぎても瀬戸内海に到達してないのが分かります。
東かがわ市には約1時間後、岡山県には約2時間7分後に第一波の到達が想定されていて、松多教授はこの「猶予時間」で迅速に避難ができれれば、減災に繋がると話します。
(岡山大学 松多信尚教授)
「自然現象は変わらないが、いざという時に、そういったことが考えられるよう、人間関係であったり仕組みであったりだとかを考えていくことが大事なのかなと」
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