元フジテレビアナウンサーの石本沙織さんが、2023年、20年間務めたフジテレビを退社。SNSを通じて「橋本病」を公表しました。成人女性の10人に一人に見られるという「橋本病」。どんな病気なのか、予防法は…。石本さんは、過去を振り返り「頑張りすぎないで、うまく休んで、うまく自分と向き合って」と訴えます。

元フジテレビアナウンサーの石本沙織さん、44歳。フジテレビでは、看板番組「めざましテレビ」のスポーツキャスターや「とくダネ!」のプレゼンターを務める一方、特技の歌を生かしてバラエティ番組に出演するなど幅広く活躍してきました。

2023年にフジテレビ退社。
現在は、小学2年生と4年生の二人の娘の育児をしながら、茅ヶ崎FMで、週に一度パーソナリティを担当しています。

石本さんは富山市出身で、故郷の富山でも司会や講演をするなど活躍の幅を広げています。舟本アナウンサーは、地元が同じで、子どもの出産時期も近かったことなどから、石本さんとは9年前からの友人です。そんな縁で、今回、富山に帰省するタイミングで取材に応じてくれました。

舟本アナウンサー:「石本さんお変わりなく」
石本沙織さん:「変わった変わった」「上の子どもが生まれたときにね、会って9年前。今回も舟本さんとお友達だったから取材を受けたんですけど…。なんか今すごく変な気分で、私、富山来るときって完全スイッチオフにして、こんなカメラの前でしゃべるなんて富山でやったことないから、つい何か富山弁出てしまうっていうか」
舟本アナウンサー:「出ていいんです」
石本沙織さん:「出していいがんけ?笑」

多くの女性に知ってほしい 「橋本病」公表への思い

石本沙織さん:「勇気をもって発表するぞ!という感じではなくて、インタビューの流れの中で話したんですが、自分の中で当たり前だったし…。はじめは自分で病気だと気づいてなくて2人目を産んだ後しばらくして人間ドック受けたとき、医師から甲状腺が腫れてるので、精密検査を受けた方がいいと言われて、検査したら橋本病だというのがわかったんです。この病気は不妊にも繋がるといわれていて、ぜひ多くの女性にも知ってほしいという思いがあったんです」

橋本病は、心臓や肝臓、腎臓、脳などの代謝を盛んにするなどの働きをする甲状腺ホルモンが少なくなる病気です。甲状腺の細胞を攻撃する自己抗体が、甲状腺に慢性的な炎症を引き起こし、甲状腺ホルモンの分泌が低下。1~2割の人は、甲状腺機能低下症になって治療が必要になります。

石本さんが、最初に異変を感じたのは30歳を過ぎたころだったといいます。どんな症状が出たのでしょうか。

石本沙織さん:「難しいんですこれなんかね、だや~くなる感じ。富山弁でいうと、だや~い。なんかね具体的な例で言うとすぐ机に突っ伏したくなるって感じ。体をこの姿勢をもうキープするのがもうだるくなってきて、もうちょっと頑張ったら、ちょっと恥ずかしいけど、ちょっとごめんなさいってこうやって1分ぐらい経ったらまた直ってみたいな」

橋本病は、体がすごくだるくなり、調子が悪くなる。心臓の脈が遅くなる、腸が動かなくなって便秘になる、または、体がむくんだりするというのが主な症状だといいます。特に30~40代の女性に発症することが多く、成人女性の10人に1人にみられるといいます。ただ、症状が悪化すると命の危険もあるといいます。

高田内科・糖尿病クリニック 高田裕之 医師:「ひどい人だと鬱みたいな状態になってしまう人もいますし、もっと通り越えてしまうと、粘液水腫という非常に怖い病名に、本当に甲状腺ホルモン足りなくなると、意識を失って命に関わるような状態になるということもあります」

橋本病は、細菌やウィルスなどから体を守るための免疫が、自分の臓器・細胞を標的にしてしまうことで起きる自己免疫疾患の一つですが、なぜ免疫の異常が生じるかはわかっていません。完治することがなく、一生涯付き合っていく病気ですが、薬を内服し甲状腺ホルモンを正常に保つことで普段通りの生活を送れるようになるといいます。

橋本病を患いこれから石本さんが伝えていきたいこと…

石本さんも、薬で症状は少しずつ改善していきましたが、疲れやすさは変わらずあったといいます。

石本沙織さん:「幸い、薬飲んで落ち着いているので、薬を飲みながらであればこうやって、元気にいられるので、うまく付き合いながら…。やっぱり頑張りすぎると今でも2、3日は起き上がれなくなってしまう感じがあるので、頑張りすぎないように気をつけています」

自身が橋本病を患ったことでこれから伝えていきたいことは…。

石本沙織さん:「本当に皆さんも頑張りすぎてるから、そんな頑張らなくていいよってすごく言いたい。特に、共働き率No.1の富山の皆さんね、その女性の皆さん本当に頑張ってると思うので、うまく休んでいただきたい。体壊してからじゃ遅いので、上手く自分と向き合ってくださいということを一番言いたいです」

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