1949年に設立された日本弁護士連合会。初めての女性会長として2024年4月1日に就任した渕上玲子さんが22日に日本記者クラブで会見を行いました。

 裁判官・検察官・弁護士の「法曹三者」で初めての女性トップとなった渕上さんは、抱負と、女性が活躍するための課題について話しました。

 奇しくも渕上さんの会長就任と同じ日にスタートしたNHKの朝ドラ「虎に翼」は、日本で初めて女性で弁護士、判事、家庭裁判所所長になった三淵嘉子さんをモデルにしていますが、渕上さんも「毎日一生懸命見ている」そうです。

 ドラマはすでに大きな反響を呼んでいて、これをきっかけに「女性の生き方」と「法律」への関心が今まで以上に高まる兆しがあります。

 こうした機運の中で、渕上さんは「女性弁護士を目指すことを頑張って欲しいというメッセージを最初に届けたい」と話しました。

 2024年現在、弁護士の女性割合は20.1%です。

 日弁連内ではこれまでも「男女共同参画推進本部」の設置や、副会長や理事のクオータ制の導入、また各弁護士事務所に向けては、産休育休制度整備の啓蒙、ダイバーシティ&インクルージョンチームによるハラスメント研修の実施、弁護士会業務への女性弁護士の参加を促すための運営負担軽減の検討などを進めています。

 今後は、まず法学部に進学する女性を増やすために、法曹界の女性たちが全国の子どもたちにやりがいなどを発信していく必要性があると話しました。

 また、日弁連として取り組むべきいくつかの課題の中でも「選択的夫婦別姓」の制度化については、「必ず実現に向けた活動をしていかなければいけない」と話しました。

 「選択的夫婦別姓」は1996年の法制審議会の答申以来、28年間法制化への進展はありませんが、「私が初の女性会長になったという意義」として、「しつこく国会への要請を続けていきたい」と強い決意を示しました。

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