パリオリンピック™レスリング・グレコローマンスタイルに出場している、香川県高松市出身の日下尚選手が、見事決勝進出を決めました。

いよいよ金メダルに手が届くところまでやってきた日下選手。RSK山陽放送では今年1月「新春インタビュー」として、パリ五輪代表内定より以前の日下選手の決意を紹介しました。

以下は2024年1月24日の記事の再掲です。

目標は「五輪出場」ではなく、その先にある「金メダル」

シリーズでお伝えしている新春インタビューです。今回は香川県高松市出身、レスリングの日下 尚(くさか・なお)選手です。夢は「五輪出場」ではなく「金メダルをとる」ことだという日下選手。今年開かれるパリ五輪へ向け闘志を燃やします。

高松市の屋島神社で、境内の階段を一気に駆け上がってくる男性。レスリングの日下尚選手です。

(日下尚選手)
「パリ五輪の優勝をお願いします」

高松市出身で、現在神戸市の三恵海運レスリング班に所属している日下尚選手。去年、世界選手権のグレコローマン77キロ級で銅メダルを獲得し、パリ五輪の切符をつかみました。

(レスリング パリ五輪代表内定 日下尚選手)
「まだ経験が少ないので、いっぱい五輪まで経験を通して、その中で修正修正を積み重ねて、五輪本番に一番の照準を合わせられたらいいなと」

高松市の高松北中学・高校が、日下選手のレスリングの原点です。レスリング部の竹下敬監督に3歳の時から指導を受け、力をつける中で、五輪への夢が大きくなっていきました。

(日下尚選手)
「どこかでみた五輪、ロンドン・リオとかというのを見て、やはり五輪で戦っているレスリングの選手がなによりもかっこよく見えて」

「それから五輪に憧れるようになって出たいというか、五輪で勝ちたちという思いですね。五輪でマットに立って、勝って勝って金メダルというのを常に目指しながらやってきました」

日下選手は「努力するセンス」の人「自分を追い込める」人

レスリング選手の誰もが憧れる五輪出場ではなく、金メダルを取ることが目標だったという日下選手。ただ、幼いころから才能に恵まれていた、というわけではなかったといいます。

(高松北レスリング部 竹下敬監督)
「本人が言うように凡人、凡人なんですけど、努力するセンスは持ってます。自分を追い込んでこつこつとまじめに努力するセンスは持ってます」

「2年生の国体で負けた次の日から自分で頭をまるめて、そのまま1年間毎日鏡の前でスクワットをずっと続けてました」

「自分を追い込める。人から言われず自分で練習できる、そういう選手であります」

「優勝しちゃった」さらに日下選手を強くしたのは「相撲」

もう一つ、地力をつける出逢いが中学時代にありました。それは「相撲」です。

(日下尚選手)
「相撲もやってみないか、レスリングをやってるんだったら相撲もやってみないかということで誘っていただいて」

「はじめは相撲?まわしなんかつけたら恥ずかしいよ、みたいな印象だったんですけど、出てみたらぱっと優勝しちゃってみたいな」

「相撲のほうが楽しい、っていう時期もありましたけど、自分がなんのためにやってるのかっていうことを考えたときに、レスリングのためにってのがあったので」

「このレスリングマットから相手を押し出したら一点もらえたりするんですよ。で、相手を押し出す前に出るっていうので前に出る力というのは相撲からだし」

「やはり足腰の強さというか、土台作りもできたのは相撲でしこ踏んだりとか、相撲をやっていたから今があるという感じですね」

「五輪で金メダルを獲る」ーそのために地道な努力を続けてくることができたのは、自分自身の力を信じていたからでした。

(レスリング パリ五輪代表内定 日下尚選手)
「そんなに遠く感じてたわけではなくて、金メダルって言ってますけど本気で目指しているから、自分では自分を信じて、行ける行けるって思って常にやってます」

「行ける行ける、って軽く感じてしまうんですけど、『自分ならやれる』っていう思いは常に持ちながら今でもやってますね」

「やはりここで『金メダルをとるためにやるぞやるぞ、練習するぞ、みんな休んでても練習するぞ、きついけどやるぞ』っていう思いは、常にもってやってます」

新年、原点の屋島神社に誓う「パリ五輪金メダル」

辰年の今年は年男。年越しでふるさと高松に戻り、地元の先輩と訪れたのは高校時代に通った神社でした。

(日下尚選手)
「久しぶりです、懐かしいです」

自分の原点を確かめるために、五輪に行く前に、もう一度この階段を駆け上がりたいと考えていました。

(日下尚選手)
「毎日ここをのぼりながら、五輪に行く。五輪に行く。五輪で金メダル獲るって自分に言い聞かせながらずっとやってきた場所なんで」

誰に強要されるわけでもなく、五輪で金メダルを獲ると自分で決めた時から目標に向かって走り続けている日下選手です。

(日下尚選手)「はーはー、しんどいっす」

パリ五輪出場が内定し、目標には一歩近づきました。ただ、夢をかなえるためにはまだまだ力をつけなければならないと感じています。

(レスリング パリ五輪代表内定 日下尚選手身)
「身体能力が自分は高くないとよく言うんですけど、だから人よりもやるしかないっていう感じですね」

(高松北高の先輩 南原健志郎さん)
ー昔と変わりました?
「いや、基本は変わらないですよ。高校の時もこんな感じです」

「身体能力はこういう感じですけど、他の選手にはない一番いいものをもっているので。例えば素直さというか、今こんな感じですけど自分がいなくなっても進んで自分で練習できるタイプなんで、これがずーっと継続できたのが日下選手です」

(日下尚選手)
「高校生の時の気持ちを思い出しながら走ることができるので、また初心に帰るような感じでがんばらないとなという気持ちになります」

「よっしゃラスト一本!、最後行こう!」

「自分が凡人と気付けたのが良かった」執念で金メダル掴む!

(レスリング パリ五輪代表内定 日下尚選手)
「『自分が凡人』ということに気づけたことが、自分の中でよかったっていうポイントだと思いますね」

「だからもう、メンタルというか自分の執念、金メダルへの執念で勝ち取りに行くもぎ取りに行くっていう」

「もちろん、技とか力というのも大事なんですけど、第一としてそういう気持ちが五輪って、そういう気持ちが強いやつが絶対に勝つ舞台というか、誰よりも強い気持ちをもって取り組んできたやつが勝てる舞台だと思っているので、パリで、パリのマットでその思いを爆発させたいと思っています」

「金メダルを獲ってこの香川県に帰ってきたいと思います。その姿が思い浮かびます」

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