能登半島地震による資産資源の影響を調べている富山県水産研究所は7日、海底地すべりの影響でベニズワイガニとシロエビの漁獲量が減少しているとして、過度な漁獲とならないよう資源管理が重要との中間報告を発表しました。

富山県水産研究所は能登半島地震が富山湾の水産資源にどんな影響を与えたか調査を実施していて、ベニズワイガニとシロエビと海底堆積物についての中間報告を行いました。

ベニズワイガニの漁獲量は1月から5月にかけて107トンで前の年の同じ時期に比べて74%、特に新湊漁協では32%と低くなりました。

これは、海底の地すべりによってかにかごが流失したことやカニが埋没したことなどが原因と考えられています。

一方、シロエビの漁獲量は4月から6月にかけて60トンで、前の年のわずか18%にとどまりました。

漁獲対象となる親エビの分布量が漁場付近で減少していると推定され、親エビは生息場所を移動させた可能性があるということです。

ベニズワイガ二9年、シロエビ2年から3年…

海底堆積物の調査では、海底の地すべりによって有機汚染の指標となっている硫化物の増加が確認されていて、シロエビの個体数に影響を与えた可能性が指摘されています。

今回の調査結果では富山湾の複数か所で海底地すべりなどによる海底地形の変化が確認され、この地形変化によって海底堆積物の性質にも変化が生じたことが明らかとなりました。

ふ化から漁獲サイズまで成長するのにベニズワイガ二で9年、シロエビで2年から3年かかることから県水産研究所は過度な漁獲とならないよう資源管理に努めることが重要だとしています。

富山県水産研究所 辻本良所長「資源が減っているのは間違いないと思いますので、さらに追い打ちをかけることがないように、そうはいっても漁業者の生活が成り立たない部分もありますし、バランスをとりながらみていく必要があるのかなと思います」

調査の最終報告は年度末を予定しています。

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