夏の甲子園の組み合わせが決まり、熊本代表の熊本工業は広島の広陵と対戦することになりました。
広陵はどんなチームなのか?そして、“投げられないエース”の思いも背負って戦う熊本工業の選手たちに迫ります。
甲子園常連・広陵が擁する“好投手”
8月4日に行われた、夏の甲子園組み合わせ抽選会。夏の甲子園は25回目の出場、広島の広陵と大会6日目の第1試合に対戦することが決まりました。
155人もの部員がいる名門・広陵。中でもエースの高尾響(たかお ひびき)選手は最速148キロのストレートを投げるプロ注目のピッチャーで、甲子園のマウンドもこの夏で4回目となります。
熊本工業 濱口翔太主将(3年)「広陵は全国の常連校だと思うので、その名前に負けずにしっかり自分たちの野球をして、初回から攻め続けられるような野球をしたい」
23回目の甲子園へ 熊本工業の軌跡
大会屈指の好投手に立ち向かう熊本工業打線は「つながり」が持ち味。畳みかける集中打で、熊本大会では得点した14イニングのうち11イニングが複数得点でした。
連打が多いのも特徴で、3番・上田と4番・菊山のコンビの連打はチーム最多の5回。菊山は打率4割、7打点をマークしました。
菊山敬紳選手(3年)「集中打で大量得点というのが1番良い形だと思っているので、ああいう形で点を取れたのは良かったと思います」
一方で、熊本大会では想定外の事態が起きました。
エースナンバーを2年生に託す
熊本大会で起きた“想定外の事態”。
「抑え」の役割を担っていたエース・廣永大道(ひろなが だいち)選手が初戦の打席でスイングした際に右の肋骨を骨折し、登板できなくなったのです。
そこで奮起したのが、先発の役割をしていた2年生の山本凌雅(やまもと りょうが)選手でした。
山本凌雅選手(2年)「こうなったからには自分がやるしかないと思っていたので、気持ち的にはあと全部自分が投げるつもりで準備をしていました」
その言葉通り、準々決勝以降は1人で投げ切り、チームを甲子園に導きました。
熊本工業 田島圭介監督「もっと選手に動揺が生まれるかなと思いましたが、むしろ“俺が何とかしてやる”という雰囲気の選手が続々と出てきてくれたので、団結する力は夏の大会で1試合1試合で成長していったのかなと思います」
熊本工業の守りで特筆すべきは、1イニング複数失点が1度もなかったこと。「ビッグイニングを作らせない」というテーマを熊本大会では体現しました。
山本選手「1点取られても仕方ないと思って、それ以上やらないようにギアを上げるということを意識していました」
廣永大道選手(3年)「しっかり締まったゲームを作ってくれて、フォアボールやデッドボールが少ないので打撃陣や攻撃につながったと思います」
「頑張れよ」「頑張ります」
甲子園では廣永選手はベンチを外れ、仲間をサポート。山本選手がエースナンバーを背負います。
廣永選手「甲子園では凌雅がエースだから、チームを勝利に導けるように頑張れよ」
山本選手「自分も大道さんが投げられないので、大道さんの分まで甲子園で投げ切ろうと思うので頑張ります」
想定外の事態を、強固なチームワークに変えて挑む23回目の甲子園。熊本工業と広陵は、大会6日目第1試合で対戦予定です。
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