夏の楽しみの1つと言えば花火大会ですが、その華やかさの裏で、いま物価高騰などにより運営側は厳しい状況に置かれています。
「日本の季節の風物詩を守りたい」
関係者は限られた予算の中、知恵を絞ります。

鳥取県鳥取市の夏の一大イベントと言えば「鳥取しゃんしゃん祭」。
毎年8月13日から開催され、そのフィナーレを飾るのが…「市民納涼花火大会」です。
10万人以上が訪れるというこの花火大会は、コロナ、そして去年は雨により中止。今年は実に5年ぶりの開催となり誰もが心待ちにしています。

しかし、この花火大会を巡って、いま全国的に深刻な問題が…

北陸火工 大井奈津子さん
「十数年前と比べられないくらい値上がりしている。これまでと同じお金をいただいているのに、これまでと同じように打ち上げられないというのは本当にもどかしい」

こう話すのは、花火製造から打ち上げまでをプロデュースする石川県の「北陸火工」の担当者。

鳥取の「市民納涼花火大会」も手掛ける北陸火工によりますと、花火の原料の火薬や包む紙などが軒並値上がりしているとのこと。
そしてそれは、花火大会の主催者に影響を及ぼします。

北陸火工 大井奈津子さん
「例年の予算はなんとか確保するという皆さんのお気持ちはあるんですけど、どうしても価格上昇分までは新しく予算を組むことができないというご相談を受けることがとても多いですね」

鳥取市の千代川の中州、花火の打ち上げ場所です。
この日、主催者と消防、警察による現場確認などが行われました。

花火を主催するのは、祭の振興会と地元の新聞社で、担当者は物価高騰や人手不足に頭を悩ませていました。

新日本海新聞社 地域プロデュース局 池田悠平さん
「実際運営しておりまして、やはり物価高騰の影響は確実に受けております。警備代とか会場設営など、やはり人件費のかかるところは確実に上がっております」

花火そのものだけでなく、人件費、仮設トイレのリース費など様々なものが値上がり。コロナ前と比べ全体で2割ほど増えているとのこと。
しかし、全国的には中止となる花火大会もある中、様々な工夫をし開催へ向け準備を進めています。

新日本海新聞社 地域プロデュース局 池田悠平さん
「警備代や安全面に関わるところは削れませんので、あとは昔ほどではないにしても、パフォーマンスの派手さをちょっと抑えたり、トイレの大小だったりとかで不便をかけますけども、その辺を削りながら上手にやりくりをしています」

こうした状況の中、花火大会への支援に乗り出した企業があります。

大手ビールメーカー「キリンビール」が行う「晴れ風ACTION」。
このプロジェクトでは、キリンビールの「晴れ風」を購入すると、売上の一部が花火大会を行う自治体に寄付されます。また専用サイトで0.5円分のコインを受け取り、応援したい自治体を選んで寄付することもできます。

今回、鳥取県は鳥取市の「しゃんしゃん祭」、島根県は出雲市の「出雲神話まつり」の花火大会がそれぞれ寄付先として選ばれました。

鳥取市の担当者は、こうした支援を歓迎します。

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