通信制高校に通う生徒が年々増加の一途をたどっています。

多様化する学びの形に応じる学校と、そこに通う生徒を取材し、人気の理由に迫りました。



羽田明莉記者:
「キラキラと輝く壁紙に囲まれたギャラリーのようなこちらの部屋、実は今年4月新しくオープンした学校なんです」

山梨県甲府市に今年4月に開設した「METIS高等学院」です。

長野県の通信制高校 ID学園高等学校の甲府キャンパスで通信制での学びをサポートします。



施設の最大の特徴は「学校らしくない設備」です。



METIS高等学院 馬場欽也学院長:
「こちらはeスポーツができる部屋になっています。自分たちの興味に合わせて時間を費やすことができるということで子どもたちが利用できる部屋になっています」

それぞれの生徒の学習や生活、興味に合う学びのスタイルを提供しています。
制服もありません。



このキャンパスを利用する唯一の生徒、中央市の根本東さんです。

先生:
「最初進学するつもりだったの?」
根本東さん:
「ない、なかった。勉強嫌いだもん。公立週5で行くって考えてたから、なんか嫌だなって」

通信制は、平日毎日登校する全日制と違い、学校や家庭での学習で卒業に必要な単位を取得します。



根本さんは週に3日、半日だけ通ってパソコン上で課題を提出します。通信環境が整ったことも通信制の普及につながった要因の一つです。

学校以外の時間はアルバイトや趣味にあてていました。



根本東さん:
「牧場で乗馬したり、1人でどこか行ったり…。そんな感じ。週5で(学校に)行くより人生の後悔がないじゃないですか。自分のやりたいことがあって、できるから」

通い方や学び方を変えることで生徒と学校とをつないでいます。

METIS高等学院 馬場欽也学院長:
「世の中の一番の問題っていうのは引きこもりだと思っています。学校に来る、家から一歩足を向けるというところに重点を置いています。『ここだったら学べる』という1つの選択肢になりたい」

全国と同じように県内も通信制に通う生徒の数が増加の一途をたどっていて、去年は過去最多となる5410人でした。
実に高校生の7人に1人が通信制に通っています。

県内の私立の高校も通信制を新設し、この2年で4校から6校に増えました。



甲府市で2000年に通信制課程を始めた駿台甲府学園です。

今年度、通信制に新たなコースを設けました。
週に3日、登校して英語、国語、数学の3教科の授業を対面式で受けることができ、30人が在籍しています。



駿台甲府高等学校 若林秀則校長:
「通信制は学年という区分けがないので希望を重視して柔軟に対応できるようにしています」

授業を受けるこちらの生徒。
高校生オートバイレーサー 齊藤太陽さん。



国外のレースに参加するため長期間学校を欠席してしまうことが課題でした。

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