きょうの「原爆の日」。広島は早朝から祈りに包まれる一方、今年は、式典の入場規制強化により物々しい雰囲気も見られました。
◆午前3時/平和公園・原爆慰霊碑前
原爆慰霊碑前には手を合わせる人が次々と…
被爆者の母(94)と娘(66)
「(母は)お姉さんに会いたい、会いたいってずっと言ってましたから、姉に会いにきたんじゃないかなと思います」
◆午前4時/平和公園・原爆供養塔前
原爆供養塔には、名前が判明している813柱を含め、約7万人の遺骨が納められている。
直爆で母を亡くした被爆者(81)
「建物疎開でそこの十日市で被爆して亡くなったんですよね。未だに骨がわからないもんで。生きていたら親孝行もできたと思うんですがね」
20歳から毎年お参りする遺族(95)
「主人の父と母と弟たちが十日市で亡くなりました。お父さんは本川小学校の校庭で亡くなって。大変でした。ああいうことがあったらいけません、もう。ほんとねぇ。怖かったですねぇ」
被爆者の友人のお参りをする人(75)
「広島に原爆が落ちたのに、まだ戦争しているなんて信じられない」
例年とは異なる午前5時の風景
◆午前5時前/平和公園・原爆ドーム前
今年は規制範囲拡大プラカード・ビラ・ゼッケン・タスキも禁止に
集まった人々「ヒロシマは声をあげるぞ!ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」
◆午前5時/入場規制開始
市職員
「平和公園内において原爆ドーム前に座っている方々に告げます。直ちにこの行為を中止し、平和公園からの退去を命令します。退去を命令します」
そのころ慰霊碑前では…
母を亡くした被爆2世(75)
「いうなれば法事みたいなもの。静かにお祈りだけさせてもらえば、それだけでいいんですから。私ら2世ですから」
◆午前5時~6時半/警備活動のため一般入場禁止
楠本麗奈レポート)
「例年だと、この時間多くの一般の方が原爆供養塔に訪れていたのですがことしは規制のため、一般の方の姿は見られません」
平和公園内では例年様々な慰霊祭が開催される
日本基督教団の牧師
「(一般の)入場を制限をされてしまったことによって、(供養塔の慰霊祭の)主催者もそうですし、市民が委縮させられているっていうことで、大きな影響があると思っています」
平和公園のあちこちに行列が…
◆午前6時半/入場開始
米田健太郎レポート)
「午前6時30分です。いま、ゲートが開かれて入場が開始されました」
今年、手荷物検査のエリアは拡大。式典参加者には金属探知機による検査も実施されます。手荷物検査の後、金属探知機検査の前にも行列が─
安芸太田町の原爆被害者の会
「一般参列なんですが、脚がこれなんで、ずっと最後尾まで並ぶことがね、難しいので(代表者が)ここまできたら、この方々をここ一緒に入らせてもらえますか?っていうのをお願いしている」
被爆者)
「全ての人間を検査するというのは、やりすぎじゃないか。90歳を超えた人がきょうのようなことをされたら入れない。倒れてしまう。被爆者枠を設けてもいいんじゃないかな、これからは」
◆午前7時/平日の通勤時間を迎える市内
鳴り物禁止の範囲外となるゲートパークでは、太鼓をたたき念仏を唱える僧侶たちが─。
妙法寺僧侶
「立ち入り禁止ということで、鳴り物の太鼓もお祈りもダメということで、やむをえずこの場所に来ているという現状です」
楠本麗奈レポート)
「午前8時を回りました。中では平和式典が行われていますが、ご覧のように、手荷物検査を受ける人の列が原爆ドームのあたりまで続いています」
◆平和式典/午前8時15分/黙とう
式典が終わるころ例年の状態に
◆午前9時/規制解除ON
佐藤由勇希レポート)
「午前9時になり規制が解除されました。コーンなどが撤去されていきます」
参拝者
「何かあってはいけないから規制をかけないと。自由奔放じゃ統制が取れない」
平和公園には多くの外国人も─。
79歳の被爆体験を聞いたアメリカ人
「当時のことは覚えてないと言っていたが、原爆後遺症や家族の話をしてくれた。とても心に響きました。アメリカ人としてここで何が起きたのかを考えると身が引き締まる思いになるし、責任を感じる」
式典を見るために来広したスペイン人
「とても心を打たれると同時に悲しくもあった。世界平和が実現することを願います。特にパレスチナやウクライナ、そして激しい紛争が起こっている世界の国々に」
被爆樹木のアオギリは、最近弱っていることが判明。
◆午前9時/広島・中区寺町 園龍寺
1歳で被爆した人(80)
「熱かっただろうなという思いと。一度も会ったことがないおしゅうとさんですが…そのおかげで今がある。残されたものは大事にしないといけない。それだけ」
◆HiroPa/広島・中区基町
トレーニング中の男性
「8時15分になっても全くサイレンも鐘の音も一切聞こえない。本当に寂しい限り」
◆午前10時/広島・中区基町 ファミリープール
市内にはいつもの光景も…
新本穂乃佳レポート)
「午前10時のファミリープールに子どもの元気な声が聞こえてきます」
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