大阪府堺市にある社会福祉協議会は、市内南部にある福祉委員会で補助金約1100万円の使途不明金があると発表しました。これを受けて社会福祉協議会は委員会の元代表の70代男性に対して約1500万円の損害賠償を求める裁判を大阪地裁堺支部に起こしました。

 社会福祉協議会によりますと、去年1月、市内にある福祉委員会で『組織として実体がなく、地域の福祉活動に補助金が使用されていないにもかかわらず、本件補助金受け取っている疑いがある」と関係者から情報提供があったということです。

 去年2月~7月にかけて、社協が福祉委員会の関係者にヒアリングなどし調査を行った結果、委員会内で関係者に補助金の存在が知らされておらず、元代表が1人で管理運営を行っていた可能性が高いことがわかったということです。

 社協によりますと、福祉委員会は小学校区のエリアを単位として、自治連合会、民生児童委員会、老人会、子ども会など地域にある団体が集まっていて、様々な地域福祉活動を行う組織だということです。

 補助金交付の要綱上、5年間の保存が求められている領収書など活動実績を証明する書類の大半が提示されなかったことから、地域福祉活動に補助金が使用されている実績を明らかにできなかったということです。元代表は聞き取りに対して「(領収書など)廃棄した」と説明しているということです。

 そのため、社協は本件補助金に不正使用があると判断したとしています。福祉委員会には2005年~2022年度までに約1495万円の補助金が交付されていて、このうち1135万円を使途不明金として判断したということです。

 社協は、7月31日に堺簡易裁判所で元代表に対し、委員会で補助金の事業が始まった2005年度から使途不明金に関する損害賠償の調停を申し入れしましたが、元代表は『私的な使用は一切ない』として賠償請求には応じられないとの主張を一貫して続けたということです。このため社協は8月6日に大阪地裁堺支部に元代表に対して、使途不明金など約1500万円の損害賠償を求める裁判を起こしました。

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